昨日の公務員新規採用4割超カットに対する岡田副総理の「民間ならこうするでしょう」というコメント。



銀行で大学の「リクルートチーフ」を務め、5年間新卒採用に携わり、会社を始めてからは人事と採用を経営の最重要課題の一つとして扱ってきた私は、愕然としてしまいました。



以前から公務員改革の必要性を唱えていますが、そのベースにあるのは「年功序列を廃止し、能力と遂行力による人事を導入し、若者にチャンスを与える」という考え方です。
つまり、人事制度を大幅に変えることが最も重要だと思っています。



年功序列は社員や職員の意欲を削ぐシステムです。入省した時は目を輝かせ、国の為に頑張ろうという気持ちで一杯だった公務員が、年と共にだんだんとやる気をなくし、惰性だけで仕事をするようになってしまう。役所を良くするには、若い人たちがどんどんと昇格・昇給出来るようなシステムに作り替える必要があります。



単純に経費を下げると言う意味においては、新卒の倍以上の人件費がかかる、自分の身分を守る事だけを重視しているような古参の職員から減らすべきだと思います。
しかし、残念ながら民主党は「高位専門スタッフ職」という高級窓際ポストを作るなどして、むしろ前例主義・事なかれ主義に甘んじている年配の官僚を守る方に向いてしまっています。朝霞宿舎の問題、給与下げ7.8%でも分かりますが、「官僚に良い顔をしたい」という下心が怖いほどにじみ出ています。



そもそも、社員の年齢分布を考えても、頭でっかちになり、若者が育っていない会社は例外なく苦戦しています。新卒採用をいっきにこれだけ絞ってしまうと、役所も同じような問題が発生し、ますます革新的な事が出来ない、抵抗勢力・身分保障優先の塊みたいな組織になってしまうでしょう。



日本の未来を危惧します。野田総理や岡田副総理は民間を例に出したいのなら、本当の現場を知ってからにして頂きたいと思います。