来年度(平成24年)税制改正大綱の決定に向けて、民主党内でもめていました。焦点となっていたのは自動車に掛かる税金。
(相変わらず、利権ズブズブの議員達が必死になっていたようです)


ところで、皆さんは自動車をお持ちですか?お持ちでしたら、車に関わる税金の種類と使途を述べることが出来るでしょうか?


まず、購入する時と、所有しているだけで掛かってくる自動車所得税(+消費税)、自動車重量税、自動車税(軽自動車税)。そして、走行段階で掛かってくるのが揮発油税、地方道路税、軽油取引税、石油ガス税。それにグリーン化税制・温暖化対策税。


それが、国税、地方税に分けられ、目的税なのか普通税なのか・・・。何%掛かっているのか。


考えるだけで混乱してきますね。すべてを把握している人は殆どいないのが現状でしょう。


私は自動車の税金に関わらず、すべての税金を簡潔にするべきだと思っています。
税金を複雑にする必要性はどこにあるのでしょう。
時限的な目的税にしない限りは、ポケットに入ってしまえば結局は同じです。私は銀行員時代、「お金に色は付けられない」という事を学んできました。国が仕組みを難解にすることによって、少しずつ国民から徴収しやすくし、使途に対する意識を希薄化させているとしか思えないのです。


そもそも、自動車の販売を伸ばすために、今回の減税はどのくらいプラスの効果があるのでしょうか?前述したとおり、自動車関連税を把握している人は少ないのです。数千円から数万円の税金が少し減ったからといって「よし、買おう!」と後押しされる人がそれほど多いとは思えません(施行された直後の1年は若干効果があるかもしれませんが、時がたてばメリット感が薄れます)。自動車需要を喚起したいなら、やはり景気を良くすることや、若者の自動車離れを変えていくような本質的な対策が必要です。


今回の民主党内のやりとりや、細かい税金の調整を聞いていても、将来の日本を見据えたようなビジョンは全く見えてきませんでした。この場当たり的な、「内輪」の政治ゴッコが続く限り、日本の再生はありません。