昨日、2回目の憲法審査会が開催されました。


世界中の先進国が時代に合わせて自国の憲法を少しずつ改正しているにもかかわらず、日本だけが戦後、一度も手を加えていません。


皆さんは、そのような事実をどう思われるでしょうか。


「良い憲法だから、問題が無い。触るべきではない」「実質的にGHQが作り、日本人が作った憲法ではないから、全面的に作り直すべきだ」「日本がうまくいっていないのは明白で、一部改正するべきだ」


色々な意見が審査会でも飛び交いますが、私はこの大切な話を国民的な議論にしていくべきだと思っています。


以下、私が昨日話した内容です。難しい内容ではありませんし、私の考えも伝わると思いますので、ご一読頂けましたら幸いです。


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憲法審査会の一員として日本国憲法の大切な議論に参加できること、感謝申し上げたいと思います。



先日は江口さんから、みんなの党の基本的なスタンスなどについてお話をさせて頂きました。みんなの党は、アジェンダの党です。アジェンダとは「指針」や「議題」、つまり、優先順位の高い政策目標を、日本の再生という大きな目的に向かって達成するための使命を持って生まれた政党だということです。



そして、みんなの党が掲げるアジェンダの中には、将来的に憲法改正を必要とするものがいくつかあります。時間の関係で全ては無理ですが、一部あげさせて頂きたいと思います。



まず、私たちは、将来的に、衆参統合による一院制を実現するべきだと考えています。勿論、一院制に全く懸念事項が無いと言うわけではありません。



しかし、日本の経済が成長を続け、国民が未来への明るさを感じられるような状況ならばまだしも、現在は衰退を少しでも食い止め、過去の成功体験に頼るのは止め、新しい再生へのロードマップを策定し、それを行動に移すという、非常にスピードが大切な時代です。そして、今回のような大きな災害が発生し、早急な復旧・復興が急務の時には、残念ながら、現在のような「ねじれ国会」による弊害、そして、効率的な審議、効率的な国会の運営などを考えると、一院制のメリットの方が大きいと言わざるを得ません。そして、その一院制の実現の為には『憲法42条の規定の改正』が必要になります。



次に、道州制の実現です。私たちは、「権限・財源・人間」のサンゲンを徹底的に地方に移管することで、「国」がやるべき仕事と、地方政府である「道州」が担う仕事の責任分担を明確にし、各地域に主権をシフトするべきだと主張しています。無駄な費用を減らすためだけではなく、日本の再成長のためにも、道州制の実現は欠かせないと思っています。やり方によっては、この地域主権型道州制は憲法改正を必要とせずに実現することも可能ではあると考えていますが、より慎重に取り組むためには憲法92条の見直しも議論するべきだと思っています。



また、これは私の個人的な思いが強いものでもありますが、みんなの党では現在、「首相公選制」を正式な公約の一つとして、アジェンダに盛り込む方向で調整中です。トップのリーダーシップが求められる時代にありながら、日本では毎年のように首相の交代が繰り返されています。この不安定な政治状況が続くのは、民意と離れたところで、総理大臣が選ばれる仕組みになっているのが、一つの要因ではないでしょうか。ぜひとも新しい仕組みを作り、例えば候補者である党首同士の政策議論も徹底的に国民に開示する形をとって、日本人に自分たちのリーダーを選んで頂く投票を実現したいと思っています。当面は憲法改正せずに実施できる形を思案中ですが、将来的に改革を達成するためには、67条一項の改正が必要となります。



さて、今年の6月に「憲法96条 改正を目指す議員連盟」の設立総会があり、私も出席をさせて頂きました。その場で、先日お亡くなりになられた西岡参議院議長とも言葉を交わしたことを鮮明に覚えていますが、議員の賛同者は200名を超えたということでした。 96条の改正は憲法改正の発議に必要な要件を、両院の各3分の2以上の賛成から、両院の過半数に緩和するというものであります。



私は何が何でも「憲法改正ありき」と言っているわけではありません。当たり前ですが、改正することが「目的」となってしまえば、それは本末転倒です。しかし、人間が作るものに、完璧なものなどありません。そういう意味では、これほど世の中が大きく変わって、世界中の先進国の憲法が少しずつ改正されているにも関わらず、日本だけが65年もの間、一度も手が加えられていないのは、おかしいのではないか、政治の怠慢ではないか、と感じてしまいます。本当に変えるべきところがないのでしょうか?これから、皆様とともに、この憲法審査会の場でしっかりと議論を深めていければと思っています。




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