夜の丘から街を見下ろす。
人々の暮らしの証が地上に散らばっている。
対して厚い雲の窓に姿を見せる一等星。
風の音はしない。
何か大きな力が、ここを包み、一つの完結された世界のようにしている。
そこに佇む静謐さはとても宗教的な感じだ。
そういえば、どこぞの聖人が張り付けにされたのも丘だった。
丘には宗教的な力があると感じてしまう。
最も、特定の宗教を信仰してはいないのだが。
隔絶された世界と、すぐ近くに見下ろす別の世界。
山頂などでは空に近すぎるし、建物の上は人工的すぎる。
緩やかな広がりを持ちながら、丘は二つの世界のちょうど中間にある。
それがきっと理由ではないだろうか。
もし墓に入る時には、西向きの丘にある墓がいいなとぼんやりと思う。