抗がん酒
いろんな本や情報を整理して、35度の焼酎で癌に良いといわれているエキスを搾りだそうと思いつきます。
その材料には、びわの種、ゆずの種、サルノコシカケ(霊芝)、グレープフルーツの皮、マンゴスチンの果皮などがありました。
「癌の芽は 種のエキスで 枯野かな」 季語:枯野(かれの)三冬
その中でも、ビワの種のアミグダリン(ビタミンB17)が癌細胞の発生を抑えるとの情報で、びわの種の抗がん酒を作りました。
その酒は香りも味もよく、妻が亡くなるまで作り続けます。
妻が亡くなりこの酒を飲む習慣が薄れ、五回忌を迎える秋には、この瓶5本分が残っていました。
ひさしぶりにこの酒をロックで飲むと、ほんとうに 「旨い」 香りの濃い酒になっています。 それからは私一人で、焼酎に薄めてまた飲みはじめました。
「思い出ぞ 枇杷の種食う 妻の顔」 季語:枇杷(びわ) 仲夏
この酒を飲むと、枇杷の生の種を、かじった時の妻の顔が思い浮び、気持ちがほぐれます。
この酒をシューㇲや水で薄めて飲んでいる顔も、おいしそうには見えませんでしたが、再発するまで飲み続けていました。
「1年を 怯えて耐えた 現身は 偲ぶ思いの 旅先探し」
現身(うつしみ:この世に生きている身)
いろんな悩みなどを、聞かされた1年でした。 しかし1年後からは、今までの友達とランチや旅行に出かけるようになります。
年末の忘年会も4,5回、毎週のように出かけていました。