白井明大(しらいあけひろ)さんの 「日本の七十二候を楽しむ」 この本で、日本の旬のものを一緒に学びましょう。
日本には四季があり、二十四の気という季節があり、七十二もの候という季節もあります。
昔の人は、そうした季節の移ろいをこまやかに感じとって生活していたのでしょう。
その47 秋分(秋分の次候: 蟄虫戸を坯す 「すごもりのむし とをとざす: 虫が隠れて戸をふさぐころ。」
新暦では、およそ九月二十八日~十月二日ごろ
候のことば 中秋の名月 旧暦八月十五日の満月は、中秋の名月。
またちょうど里芋の収穫の時期にあたり、芋名月と呼び、豊作への感謝を込めて芋をお供えするならわしも。
満月の前後の呼び名は、十三夜、小望月、十五夜、十六夜(いざよい)、立待月、居待月、寝待月、更待月と。 一夜一夜の月に名をつけるほど、月が身近に、愛でたい存在としてあったのでしょう。
旬の魚介 さんま すべてが国産、天然物、というさんま。
夏~秋が旬で、塩焼きは絶品の秋の味です。
旬の野菜 里芋(さといも) 稲作よりも古く、縄文時代後期より以前から日本に入ってきていたという里芋。
豊作に感謝する芋煮会などの行事が、古来秋に各地で催されていました。
旬の草花 紫苑(しおん) 背の高い二メートル近くにもなる草から、紫の花びらに中心が黄色い花を咲かせる紫苑。
平安時代から薬用や鑑賞に親しまれてきました。
旬の兆し 茅場(かやば) 昔は集落のそばに、茅場と呼ばれる広いすすき野原がありました。 毎年刈り取っては茅葺き屋根や、牛や馬のえさにしたそう。
乾燥したすすきは雨にも強く、囲炉裏の火などで、いぶされて丈夫に。
旬の行事 ずいき祭 ずいきとは、里芋の茎のこと。
野菜や乾物などでかざりつけした、ずいき神輿(みこし)を奉(たいまつ)るなど、秋の収穫に感謝を捧げる祭です。
ずいき神輿
- 近くの祭りを、調べてみましょう。