白井明大(しらいあけひろ)さんの 「日本の七十二候を楽しむ」 この本で、日本の旬のものを一緒に学びましょう。
日本には四季があり、二十四の気という季節があり、七十二もの候という季節もあります。
昔の人は、そうした季節の移ろいをこまやかに感じとって生活していたのでしょう。
その44 白露(はくろの次候: 鶺鴒鳴く 「せきれいなく: 鶺鴒が鳴きはじめるころ。」
新暦では、およそ九月十二日~九月十六日ごろ
候のことば 鶺鴒(せきれい) 尾の長い白と黒の白鶺鴒。
歩くときに尾を上下に振りながら地面を叩くようにする仕草は、石たたきと呼ばれます。
鶺鴒は日本書紀にも登場するというから驚きです。
旬の魚介 あわび 貝のご馳走食材、あわび。
旬は八月~十月。 日本で食べているのはクロアワビ、エゾアワビ、メガイアワビなど。
あわびは巻貝の仲間で、二枚あるはずの貝殻が片方ないから、合わぬ身、転じてあわびという名になったとか。
旬の果物 梨(ナシ) みずみずしく、シャリッとした歯応えが快い梨。 弥生時代の遺跡から、梨の種が見つかり、このころから食べていたという説も。
クエン酸やアスパラギン酸などを豊富に含み、疲労回復にいい果物です。
旬の草花 オシロイバナ 紅や薄紅、白絞りなど、さまざまな花を咲かせるオシロイバナ。
種の中に白い粉のような胚乳があり、子どもが指ですくってお化粧ごっこをしたことから白粉(おしろい)の花という名前に。
夕暮れに咲き、翌朝にはしぼんでしまうことから、別名を夕化粧とも。
旬の行事 筥崎(はこざき)八幡宮の放生会大祭 博多の筥崎八幡宮で千年以上の歴史を持つ祭り。
もとは殺生を戒(いやし)める仏教の儀式でしたが、合戦の続く戦乱の時代に、いのちをいつくしみ、秋の実りに感謝を、とはじまったそう。
きれいなガラスのおもちゃ(びろーど細工:細いガラス管をぷうっと吹き、音を鳴らして遊びます)や博多ちゃんぽんが名物。 毎年九月十二~十八日。
筥崎八幡宮のビロード細工
*博多へ行く時は、筥崎八幡宮へ寄ってみましょう。