「私は認知症の患者様が

多い病棟に勤務しています。

 

今回、師長から

『認知症の患者さんが

出来るSSTを学んできなさい』と

言われて来たのですが…」

 

この質問は、

中堅看護師さんから

頂いたものです。

 

確かに、疾患の特徴からも

SSTが適応可能かどうか、

迷われるのも無理もありません。

 

また、認知症の患者さんの状態は

人それぞれですので

一言で言い切るのも難しいことです。

 

ただ、疾患の特徴として、

高齢者の方々が多いので、

高齢者の方々のSSTについての

ポイントをお伝えします。

 

 

 

SSTは対人関係に必要な技能を

学習していくものですが、

高齢者の方々は、既に多くの

技能をお持ちです。

 

そこで、

新たに技能を学ぶことよりも、

既にお持ちの技能を

これからも維持してもらえるような

働きかけを中心に進めてみましょう。

 

例えば、

患者さんとの会話で、

「そう言ってもらえると嬉しいわ。」

「その伝え方、とても素敵ですね。」等、

適切な相手の行動(言動)に対して

積極的にフィードバックを伝えます。

 

これを繰り返すことだけでも

SSTのエッセンスを取り入れた

時間になりますね。

 

ですので、

SSTのプログラムを設けるよりも、

話し合いやレクレーションの時間の中で、

関わりをSST志向にするのが

良いでしょう。

 

 

SSTが最初あって、

SSTに患者さんを合わせるのではなく、

最初に患者さんがあって、

患者さんに合ったSSTを

考えていくことが重要です。