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松山大教授「違法性認識」 合成麻薬卒業生11人関与
共同通信社 2019年4月17日 (水)


 麻薬研究者の免許がないのに学生に合成麻薬「MDMA」を作らせるなどして松山大薬学部の岩村樹憲(いわむら・たつのり)教授(61)が書類送検された事件で、教授が「違法性を認識していた」と大学の調査に説明していたことが16日、分かった。卒業した11人が合成麻薬の製造に関与した疑いがあることも判明した。
 松山大が記者会見を開き、明らかにした。大学によると、岩村教授の他にも助教と4人の卒業生が書類送検された。
 溝上達也(みぞがみ・たつや)学長は「研究者倫理を順守し、それを指導する立場の職員が必要な免許の申請を怠ったことは極めて遺憾」と述べ陳謝した。岩村教授と助教を自宅待機としており、捜査状況を踏まえて処分するとしている。
 岩村教授は2007年4月に着任し、当時から麻薬研究者の免許を持っていなかった。
 大学側は今回の事件に関し「研究に必要な免許の取得は個々に委ねられていたことが大きな原因」と説明。麻薬は金庫で保管することになっていたが、研究室の実験台の引き出しから押収されたと明かした。
 今年1月、麻薬取締部から捜査しているとの連絡を受け調査を始めた。

 

学生MDMA合成させる 松山大教授を書類送検 麻薬取締法違反容疑
共同通信社 2019年4月16日 (火)


 麻薬研究者の免許がなかったにもかかわらず、合成麻薬「MDMA」を学生に作らせたり、別の麻薬を所持したりしたとして、四国厚生支局麻薬取締部が16日、麻薬取締法違反の疑いで、松山大薬学部の岩村樹憲(いわむら・たつのり)教授(61)を書類送検した。捜査関係者が同日、明らかにした。
 捜査関係者によると、岩村教授は医療薬学科の教授で、危険ドラッグなどの薬物を研究。学生に合成させたことを認め「勉強のためにやらせていた」などと話している。
 書類送検容疑は2013年、学術研究を目的として麻薬の製造などを行える麻薬研究者の免許がなかったにもかかわらず、自身の研究室に所属している学生にMDMAを合成させるなどした疑い。指示を受けて合成に関わった当時の学生数人も書類送検した。合成したMDMAは見つかっていないが、大学の研究室から微量の、別の種類の麻薬が見つかった。
 松山大の溝上達也(みぞがみ・たつや)学長は「学生や保護者に多大なご迷惑をかけたことを心よりおわびする。再発防止策の検討を進めるとともに、捜査状況を確認した上で当該職員を処分する」とのコメントを発表した。
 外部からの情報提供を受け、麻薬取締部が岩村教授の研究室や自宅を家宅捜索し、1月以降、本人らから事情を聴いていた。
 大学のホームページや捜査関係者によると、岩村教授は岐阜薬科大の助手などを経て、松山大薬学部の教授に就任した。
 麻薬取締法は、学術研究のために麻薬を製造するためには、研究施設がある都道府県から麻薬研究者の免許を取得しなければならないと定めている。岩村教授は愛媛県以外で免許を取得したことがあったが、既に失効していたという。
 ※MDMA
 厚生労働省によると、化学薬品から合成された錠剤型の麻薬で、興奮や幻覚・幻聴作用があり「エクスタシー」「バツ」「タマ」などと呼ばれている。使用すると、精神錯乱や睡眠障害、心臓や肝臓などの機能不全、脳卒中などを引き起こし、死に至ることもある。無許可で製造した場合は、1年以上10年以下の懲役となる。2017年は錠剤型の合成麻薬を所持していた疑いなどで41人が検挙され、3244錠が押収された。

 

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