「朝定食を詰め合わせてもらってきました。山田監督は?」
「やっぱり、初監督作品だし、いろんな想いがあったんじゃない。放送後は携帯メール読んで、その後はネットの反応とかチェックして、6時くらいまで寝れなったみたい。今は会議室で休んでもらってるけど。」
「そうでしょうね。でも、2chの書き込みとか凄いペースですね、けいおんのスレッド乱立してるし、放送前にけいおん! 紅茶10杯目だったのが、もう12杯目ですよ。」
「視聴率の速報は?」
「10時頃ですかね。」
藤野と野島が隣あったデスクでお互いの仕事を始めて少しすると、
「すみません、寝てしまいました。」
「監督、寝癖が。」
「あらら。」
藤野が山田をソファーに座らせ、野島がソファーの前のテーブルに買ってきた朝定食を並べると、「まずは。」ということで遅い朝食となる。
朝食が終わるころ、野口が現れ、
「ネットの反響の7時集計がでました。」
「どうだった?」
「作品評価は好意的が27%、批判的が31%ですね。」
「それってどうなの?」
「新作は基本荒れますからね、好意的な数字は多いと思いますし、好意・批判合わせて関心ある書き込みが58%ってのは、非常に高いですね。」
「その他の分析は?」
「キャラはやっぱり澪と唯が高いですけど、律とムギもそれなりの支持を受けていますね。そして、OP/EDの評価は抜群ですね。キーワードのベスト10は、ED、OP、くそ、うんたん、京アニ、唯、演奏、澪、声優ですね。」
「やっぱり、うんたん来てるんだ。」
「もう、動画はうんたんとOP/EDがアップされて、にこのコメント数なんてすごいことになってますよ。」
「まずはOKですかね。」
「まあ、これから評価は作られていくんだろうけど、まずは一安心ですかね、京都にこれで帰れます。」
「監督、これ、どうぞ。公式の掲示版のメッセージです。」
野口の手渡したプリントには、
○ 登場するキャラクターが生き生きしていて見ていて楽しいです。楽器や背景の描写が丁寧なのが良い空気感を出せている理由だと思います。次回も楽しみです。
○ 第1話視聴しました。感動しました。OPの唯達の可愛らしさに悶絶し、EDの澪らのカッコよさにしびれました。本編も唯をはじめとする各キャラクターが、魅力的かつ個性的に描かれており期待以上の1話でした。
見終わった後の、OP、EDとBlu-rayの第1巻の予約余裕でした。久しぶりにアニメファンでよかったと思える作品に出会えたことに感謝しています。2話以降もTVの前で正座待機で臨みたいと思います。制作スタッフの皆さん応援しています。これからもがんばってよい作品を送り出してください。
といったメッセージが書き込まれている。
「これは、嬉しいですね、励みにします。」
「藤野さん、私達は大変ですよ、掲示版の書き込みもう150超えてますから、私の方で冷やかしや、クレームは別フォルダに移動しましたけど、コメント付けるの大変ですよ。」
そこに黒田がスタッフルームに入ってくる、
「視聴率でたぞ。」
「どうでした?」
「1.5%、やりましたね山田監督、まずは目標達成です。」
「ありがとうございます。」
「編成はどうでした。」
「笑顔でまずまず、今後期待だなって局長が言ってた。」
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