「私、梓の戸惑いだすために、もう少しトーン落としますから。」

 「そうね、大丈夫よっさんがちゃんとフォローするから、ね。」

 「エッー、間だよね、間。」

 いつものように、調整室の隅で5人が打ち合わせを行っているところに、右手をふりながら、

 「おはようございます・・・」

 パソコンを抱えた女性と野村が近寄ってくる。

 「あ、奈津子さん、どうしたんですか。」

 「ははぁ、愛生ちゃん、びっくりした?」

 「文化放送以外で始めてみました。」

 「僕が紹介しますよ。みんな、構成作家の色川奈津子さんです。彼女には、今日のこの後のらじおんの収録から、構成作家として入ってもらいますす。それに、これからの取材とかイベントのスピーチライターもお願いしているので、よろしく。」

 「よろしくお願いします。」

 5人は立ち上がって奈津子に挨拶すると、奈津子はまず陽子に歩寄り、握手をしながら、

 「日笠陽子さんですね、始めまして。」

 「Charlyさんから、お名前だけはお聞きしてました。」

 「モモノキですね、あっちにも時々顔だすので、よろしく。隣は佐藤聡美さんですね?」

 「はい、佐藤聡美です、よろしくお願いします。」

 「シュガ美さん、しゅが、いい愛称ですね。」

 「ありがとうございます。」

 「お隣は、寿美菜子さんですね。」

 「よろしくお願いします。」

 「いや、本当に高校生には見えない、落ち着いてますね。」

 「そんなことないですから。」

 「隣は、隠し玉の竹達彩奈さんですね、よろしく。」

 「竹達です。」

 「まあ、愛生さんの隣にいると、小さくて可愛い。」

 「ちょっと、奈津子さんやめてくださいよ。」

 「やめませんよ、愛生ちゃん、やっと仕事が一緒に出来るようになったんだし、これから『けいおん』のことのを全て知らなきゃならないし、特に5人の関係が分からないと構成台本書けないんだから。」

 「じゃ、今日のらじおんの台本はどうなんですか。」

 「さすが、愛生ちゃんするどい。それは資料を読んで書いたけど、本当に重要なのは、これからのコミュニケーションなんだな。ところで、ここと、あそこのカメラはなんなの。」

 「カメラですね、いつも『けいおん』の現場では回っているんですけど、こっちがTBSの中山Pのカメラで、向こうの赤いのがポニーキャニオンさんのカメラ。」

 「野村さん、ドキュメンタリーでも制作するんですか?」

 「いや、そんなもんじゃないけおど、彼女達バンドやってるから、LIVEとかでDVD発売するとき用に一様撮ってるんだけどね。」

 「じゃ、LIVE実施は結構期待されちゃってるんですね。」

 「まあ、僕レベルでは分からないけど、可能性は高いかな。」

 「イベント以外にLIVEですか?」

 「無理ですよ!」

 「そうなの、でも練習も本格的にやってるってきいてるけど。」

 「誰に聞いたんですか?」

 「あなた達に会う前に、もう山田監督、野島さん、西口さん、浮田さんなんかに話し聞いてるけど。」

 「はやぁ、そして今日はアフレコ見学して、らじおん収録ですか。」

 「そうね、バンドの活動報告と、皆に1話を見てもらって感想言ってもらうことになってるし、今日からは完全にラジオの形態になるからね。愛生ちゃん取り回し役よろしく、日笠さんと寿さんはぼけ役、佐藤さんはつっこみよろしくね。」

 

 

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