ふみふみこさんの「ぼくらのへんたい」第9巻を読みました!

ぼくらのへんたい 9 (リュウコミックス)
ふみふみこ
徳間書店


ふみふみこさんの「ぼくらのへんたい」、第9巻は物語がはじまって2年経った、その入学式の日からはじまります。中学2年生だった亮介=ユイがパロウ=修と同じ進学校の男子高、北上高校に入学した、その当日からになります。パロウは高2、まりか、それにあかねとともちは中3。34話~37話が収録されています。

この巻の主人公はパロウですね。相変わらず地の底を這い回るような苦しみから抜け出せなかったパロウが、やたらと親しくして来る亮介に、「自分は女装しなければ誰も受け入れてくれない」という思いを告白し、亮介にそれを強く否定されて、「そんなことを言ってるのはたった二人だけだ、オレも青木(まりか)もそうじゃない、そんなやつらじゃなくてちゃんと俺をみろよ」と言われて、心の凍ったところが溶けて行く、そんなストーリーになっていました。

各回の感想はこちらの方にありますのでご覧頂ければと思います。

気がついた、連載時との異動を上げておきます。34話では35ページのまりかの「わ私は」と言うセリフが、丸ゴシから明朝?に変わっていたこと。35話50ページ、パロウと亮介が学食で食べている時、パロウの同級生の岩井が向かいに座るときの背景がなかったのが食堂の風景が入ったこと。同じく75ページ、亮介に振り回されっぱなしで疲れてしまったパロウが保健室で横になってる時に「なんなんだあいつは・・・」とつぶやくときの口元。色っぽい感じだったのがちょっと少年ぽい感じになった、気がします。

それから36話の一番下、「全く」と言うセリフに背景がなかったのが、廊下の天井の方の風景が入りました。37話。異動ではないけど、やはり亮介が真っ直ぐパロウをみて、「好きだっつーならちゃんとオレを見ろっつーの。そんな奴らじゃなくオレを見ろよ」と言うセリフがいいなと思います。まあ、セリフだけ読んだらBLなんだけど、亮介にはまるっきりそんな気はない。でもパロウは救われるし、すてきな場面だなといつも思います。ここでようやくパロウは、女装の「ユイ」ではなく、現実の「亮介」を見ることが出来るようになったのかもしれませんね。

それから141ページ、みんなで遊びに行って、ブティックでともちが女装の洋服を探している場面で、パロウがともちにミモレだけのスカートを薦めてともちが「すみませーん」と店員を呼ぶ場面で二コマ、背景がなかったのが入っています。

今回は、セリフの改変はゼロでした。わりとふみふみこさんもすうっと描けた、という感じなのでしょうか。

おまけマンガはともちのお姉さん、歩のトランスジェンダーの友達、大柄な芹那とまりかが女装用品を買いに行く、と言う話。結構きわどくなってきました。さらに、カバー下の本体の表紙絵は・・・SM雑誌?(笑)ついに来たか、という感じになってきました。(笑)

連載の方も次回で最終回、単行本も最終巻になります。どんな形で終わりになるのかわかりませんが、楽しみにしたいと思います。