極黒のブリュンヒルデ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)/集英社


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ニコニコ動画で『極黒のブリュンヒルデ』第2回を見ました!



先週から始まった『極黒のブリュンヒルデ』。先週は主人公の天文部の村上良太が、突然転校してきた謎の少女・黒羽寧子が土石流で落ちてきた岩を砕くことで命を救われ、「自分は魔法使いだ」と告白するところまででした。魔法使いだとわかったら「研究所」に殺されるし、それを知った普通の人間も殺されるから、もうこれ以上自分に関わらないでくれ、と寧子は言うのでした。

第2回は、担任から欠席した寧子に転入届と夏合宿の栞を渡すように頼まれた良太が、天文台の奥にあるという寧子の住所を訪ねて行きます。しかしその場所は展望台で、寧子の姿はありませんでした。

しかしよく見ると下にダムに沈むはずだった廃村があり、そこにいるかもしれないと思った良太は探しに行きます。行ってみると確かに寧子はいたのですが、「自分は死ぬかもしれない人を助けに行っただけで、もう学校へは行かない」というのです。

不審な思いを抱きながら一度は帰りかけた良太でしたが、寧子が誰かと話しているのを見て確かめたくなり、のぞいてみるとそこには寝たきりで動けない少女がいました。彼女の名は橘佳奈。「研究所」によって「魔法使い」にされた仲間でしたが、身体が動かなくなった代わりに予知能力を得、ただ一つだけ動く左手の指でキーボードを入力して音声を発し、会話していたのでした。

研究所を脱出してからまともな食事をしていないらしい彼女らはケーキや焼きそばパンに感動し、寧子は口の動かない佳奈にミキサーでケーキをどろどろにして食べさせます。初めてしおらしい顔をして良太に礼を言う寧子でしたが、彼女の身体には異変が起こっていたのです。

良太がすれ違った自衛隊の装甲車は彼女らと同じ「魔法使い」の少女を「回収」するためのもので、また佳奈の持つ予知能力で「人が死ぬ」ことを知った寧子は、その人を助けるために活動しているのでした。

そんな寧子に、良太は幼馴染の「クロネコ」の面影を見たのか、寧子自身に魅かれたのか、「ずっとここで暮らしたい」という思いを持つようになります。

今回はアクションらしいアクションはなかったのですが、研究所に回収された少女がリジェクトされる場面など、彼女らにどんな運命が義務付けられているかの一端が垣間見えました。

まだ物語の構造はよく見えないのですが、いくつか思ったことを。

オープニングはクールな印象でしたが、少し「まど☆マギ」で背景を担当した「劇団イヌカレー」の風味が入っていたので参加しているのかと調べてみたらそうではなかったので、「魔法少女―魔法使い」ものとしてエッセンスを加えたという程度のことかなと思います。

また登場人物の瞳の描き方が、これはマンガでもそうなのですが、少女マンガ的なハイライトや星が入らず、いくつかの太い線で構成されているのがちょっと特徴的だなと思いました。これだと目力も入れにくいし瞳で語るというのが難しい気がするのですが、たぶんそこに何かの狙いがあるんだろうなと思います。

主人公良太のなんだか好奇心や感情に突き動かされる性格がある意味斬新な気がしました。少女たちの方が状況の主導権をとっているようで、結局は良太がリードしているという感じが面白いなと思います。何というか、今日読んだ「とりかえ・ばや」の石蕗(つわぶき)の中将に似ている感じがあります。

寧子のツンデレぶりとか佳奈の口の悪さとかは何と言うか類型的なキャラである気がしますが、この作品は実は「ふつうの人間」である良太の占める位置がすごく大きいのではないかという気がしました。

なんだか分析ばかりしていますが、あまりこういう作品には慣れてないので自分なりに納得するまで時間がかかる感じがします。

こういう感じで書いて行くエントリも増えそうな感じはありますが、お付き合いいただけるとありがたいなと思います。