別冊 少年マガジン 2014年 05月号 [雑誌]/講談社
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別冊マガジン5月号で『進撃の巨人』第56話を読みました!衝撃の展開でした!


9日は進撃の巨人関係の雑誌・マンガが一度に発売されるということで、以前からこの日に備えていたわけですが(笑)、やはり本命は本編の、第56話です。


担当編集者の川窪さん(バックさん)がツイートで「ネーム読んでどきどきしました」と書いているこの本編は、期待にたがわず衝撃的でした。


この衝撃を共有しようとまとめサイトの『進撃の巨人ちゃんねる』を読みに行ったら、まだ別マガを読んでない人のためにネタバレ公開は12時にするとのこと。(笑)その気持ちは分かります。


ですから私も朝の更新でどうしても書く気にならず、しばらく反芻してから更新することにしたわけです。


お待たせしました!


第56話は調査兵団、エレンたち新リヴァイ班の立てこもる小屋の中で、ライナーたちにとらえられていた時の記憶、ユミルとベルトルトの会話を思い出したエレンが、それをハンジに伝えに行きます。


ハンジはニック司祭の復讐のつもりでサネスを罠にはめたのですが、サネスはむしろハンジに同情し、「こういう役には順番がある。頑張れよ、ハンジ」と言われて荒れていますが、エレンのメモを読んで慌ててエルヴィンに相談に行きます。


一方エルヴィンからの使者、ニファ(一部で黒髪アルミンと言われていたハンジ班の班員)は、皆の前でエルヴィンからの伝言を伝えようとします。その場にはリーブス商会の会長とそのドラ息子もいました。


そこでリヴァイは、エレンたち104期の新兵に、レイス家が本当の王家であり、この革命の目的はヒストリアを女王に即位させることだと伝えます。


衝撃を受ける104期たち。なかでもヒストリアは、あまりの巨大な役割に「とてもできません」と言います。

リヴァイは皆の前で、「お前らは明日何をしていると思う?隣にいる奴が明日も隣にいると思うか?」とたずねます。


「俺はそうは思わない。そして普通のやつは毎日そんなことを考えないだろうな。つまりおれは普通じゃない異常なやつだ。だが俺は、明日からあの地獄がはじまっても戦える。俺なら巨人に食われる地獄より人が殺し合う地獄を選ぶ。少なくとも人類全員が参加する必要はないからな。だが俺たちがこの世界の実権を握ることが出来たら、死ぬ予定だったやつっがだいぶ死ななくて済むらしい。すべてお前次第だ、ヒストリア」


そう迫られたヒストリアはついに、「やります!」といいます。「私の次の役は女王ですね?やります、任せてください」と。


エルヴィンの指令は、エレンとヒストリアをリーブス商会に運ばせて、その終点にいるはずのレイス卿の身柄を確保し、対話して、ヒストリアを女王に即位させ、壁内の協力体制を確立してウォールマリア奪還に向かう、ということでした。


エレンとヒストリアはリーブス商会の協力で中央第一憲兵団に引き渡されるはずでしたが、思ったより早く第一憲兵は現れます。そしてリーブスを外に連れ出し、衝撃的なことを告げるのです。


「リヴァイ・アッカーマンって男を知ってるか?」と。


リヴァイの名字は今まで明らかにされていませんでした。それが、ミカサと同じアッカーマンだということが、初めて明らかにされたのです。


そしてその隊長は、「リヴァイにはいろいろ教えてやったもんだ。あのチビは俺の誇りだよ」と言って、いきなりリーブスの首を切ってしまいます。


そしてその隊長に呼びかけた部下の言葉がまた衝撃的でした。


「アッカーマン隊長」と。


その現場にいてその惨劇から逃れたのは木の陰に隠れていたリーブスのドラ息子だけ。エレンとヒストリアは彼らに連れ去られます。


そして隊長はつぶやきます。「(調査兵団を)放っておくのは考えもんだったが、ようやく俺ら対人制圧部隊の本領が発揮されるな」と。


今回の衝撃は二点あると思います。一点は、ヒストリアを女王の座につけるという革命計画。これは読者には前回に明らかにされているので登場人物たちにとっての衝撃、ということですが、上に引用したようにリヴァイが長いセリフをしゃべって計画実行の意義を説くところがすごいです。エルヴィン負傷以来、リヴァイがかなり中心的に物語の筋をぐいぐい引っ張っていて、物語の前半のようにエルヴィンにすべてを託すのではなく、エルヴィン・ハンジと三頭体制で計画の革新部分を責任を持って引き受けているのを感じます。


リヴァイはどちらかというと寡黙なイメージでしたから、そのイメージを崩さないままこれだけ物語を引っ張るようになるとは思いませんでした。そんなこと言うとリヴァイ自身から、「ばか言え。オレはもともとけっこう喋る」と言われてしまうかもしれませんが。(笑)


もうひとつの衝撃は、もちろん「リヴァイ・アッカーマン」、そして第一憲兵の「アッカーマン隊長」でしょう。両親を失い、「東洋人の血を引く最後の生き残り」という設定で、天涯孤独だと思われていたミカサですが、ここで急激に(本人のいないところで)主筋に取り込まれて行くのを感じます。


物語の主筋の何か空恐ろしい存在があって、エレンはもともとその奴隷のようなものですが(その割には最近自由になってきた印象もあるのですが)、そこにアニが呑みこまれ、ライナー・ベルトルトが飲み込まれ、ユミルが飲み込まれ、クリスタが飲み込まれ、そしてついにリヴァイとミカサも飲み込まれようとしている。そんな得体のしれない力を感じます。


果たしてリヴァイとこの男の関係は。そしてミカサとの関係も。一族なのか、それともアッカーマンというのが何か特殊な役割を持つものが持つ名なのか。確かにミカサとリヴァイは、「リミッターを外せる」という他にない共通点をもっています。


森の中に住んで、人攫いたちにいきなり殺されたミカサの両親が、こうした存在と同じような能力を持っていたとはなかなか思えませんし、いったい背景に何があるのか、気になるところです。


また、地味な部分ですが、冒頭でエレンがユミルとベルトルトの会話を思い出した場面。この会話の内容は「巨人になってしまうと人間を食わなければ人間に戻れなかった。人間に戻るまで60年くらい彷徨い続けた」ということでしたが、それを聞いてハンジはなぜ慌ててエルヴィンに相談に行ったのか。


またもちろん、なぜ第一憲兵が調査兵団とリーブス商会の計画に気がついたのか。


『進撃の巨人』は、1カ月まだかまだかと待ちあぐね、別冊マガジンの発売と同時に読破して、そしてその瞬間からまた新たな謎にとらえられて1か月間待ちあぐねる、という全くたちの悪い(もちろん褒め言葉です)マンガなのですが、今回はさらにそれが加速した感じでした。


さらに今日は、単行本13巻とその限定版特典DVD、『悔いなき選択』1巻とその特装版付録、『Before the Fall』第2巻と書くべきことが目白押しなのですが、それ以前にまだゆっくり味わう暇もなく、少しずつ書いて行きたいと思います。


そして何より、来月の別マガが今から楽しみでなりません!