月刊!スピリッツ 2014年 5/1号 [雑誌]/小学館

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松田奈緒子さんの『重版出来!』を連載誌で読みたくて、コンビニで『スピリッツ』を探したのですが載っていません。よく調べてみると、実は『月刊スピリッツ』でした。それもなんと、今日が発売日!

それで急いで書店へ走って買おうとしたのですが、一軒目では在庫がなく、二軒目でようやく表紙が少し破れたのを見つけて買いました。どうもその一冊しか入荷がなかったようで、これだけの人気作品が掲載されていてもなかなか雑誌は売れなくて大変なのだなあと改めて思ってしまいました。

そう言うことを考えてみると、このマンガに出版に携わる人たちの熱い支持が寄せられているというのもよくわかります。みな、生き残るために、現下の苦境を脱するために、頑張ってるんだなあと思います。

『月刊スピリッツ』5月号に掲載されているのは第19話。ということは、28日発売の単行本第3巻が18話までだと思いますので、その続きということになります。19話では前からの新人育成のエピソードの続きが描かれているので、第3巻の後半にはこのエピソードが描かれているんだろうなと思います。楽しみです。

第19話、話はちょうど正月休み。大掃除の場面から始まり、年越し、初詣、箱根駅伝、とつながる時間の流れの中で、新人作家たちは正念場を迎えています。

今回中心的に描かれているのは『ガールの法則』というおしゃれ系の原作をもとにした漫画を描いている東江さん。不親切な編集者・安井が担当になったため、しなくてもいい苦労をして追いつめられ、結局もとの担当だった心に電話をかけてきます。心は「台詞は直してかまわない、まずしめきりに間に合わせ、読者に喜んでもらうことがやるべきこと。作品へのこだわりは単行本化のときにも修正するチャンスがある。東江さんの絵は華やかでかっこ良くて原作にぴったりだ」と励まします。

苦しんでいる東江さんを見て心は安井のやり方への不満を爆発させますが、五百旗頭は過去につぶれた雑誌のトラウマからそういう仕事スタイルになったと語り始めます。

ベテランや人気作家に続いて新人作家の苦しみや大変さが描かれてきて、人生のいろいろなステージで、それをサポートする編集者が何をすればいいのか、きっとそんなヒントも描かれているのではないでしょうか。

漫画はアートでもあるけど、商業作品でもある。売れなければ、作家本人だけでなく出版に携わる多くの人が路頭に迷います。

エンタメ系の作家がおしゃれ系の作家にコンプレックスを持っているという話が第2巻で出てくるのですが、作家性の強いおしゃれな作品が雑誌の格を上げるのに寄与する一方、エンタメ系のメガヒットを持っている作家が雑誌の屋台骨を支えているというのも事実で、どちらがどうということもないのでしょう。

営業職と開発職みたいなカラーの違いというのはあるんだなあと思いますが、いろいろな作家がいるからこそ漫画というものは面白いんだなあと改めて思いました。