縦2.3センチの大振りのモダンなリングです。SIPとは昭和13年に御木本真珠店が独自に開発した銀・銅・錫配合の白色系代用金属です。翡翠も大きく色がよく乗っているものが使われており、周りの芥子玉真珠との相性もよく、御木本らしい隙のないデザインが若い人の洋装姿によく映えたと思います。

 

 

SIPは少し青みがかった色合いで少し落ち着いた雰囲気があります。

 

彫金部分を拡大しました。極小さな芥子玉の留め方とミル打ちが大変丁寧です。少し黄ばんで見えますがこれは光の加減です。

 

刻印です。『貝にM』と『SIP』とあります。刻印からみるとSIPはだいぶ硬い金属のようですね。

 

指に嵌めてみました。昭和15年の七・七禁令までは、まだこのような元気で華やかなファッションリングが造られていたのには驚きます。