服部時計店製の上品なヘアーピンです。状態はあまりよくなかったのですが、修復に修復を重ねてようやく元の状態に戻りました。細工が素晴らしく、服部時計店は御木本真珠店に勝るとも劣らない腕を持った職人を多く抱えていたようです。時間が静止したような隙のないデザインの御木本製とは異なり、服部時計店製はモダンで動きのあるものが多いです。このピンはプロポーションが完璧なので大きく見えますが、装飾部分の長さは6.5センチ程と小ぶりです。昭和初期のすっきりした色合いの着物によく似合ったことでしょう。WGは御木本と同じ頃に導入されたと思われるので、時代は昭和5年以降としました。

 

 

 

水平から見たところです。

 

裏側です。

 

このように立体的に薄く造られています。

 

刻印です。「WG14」「ツバメのマーク」があります。

 

以前ご紹介した同じく服部時計店製の帯留めと並べてみました。同じデザイナーのものでしょうね。

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棚の上に飾っているボーンチャイナとオールド大倉の置物を撮ってみました。カップ類などの食器はまだたくさんあるのですが、置物類はこれだけです。こうして見ると色合いが戦前らしくてとても可愛いですね。

前列右からオールド大倉、オールド香蘭社の魚一対、ボーンチャイナの蓋物、ミニチュア花瓶、ミニチュアリンゴ、

後列右からボーンチャイナの花瓶2点、ボーンチャイナの馬のフィギュア、オールド深川の犬のフィギュアです。

時代はすべて昭和初期のものでしょう。

 

 

銀器は置物が多いですが、飾っておくと黒く錆びてくるので、私は基本的に薄葉紙とラップで厳重に包んで戸棚にしまっています。いいものを持っていても飾れないので実に寂しいです。反対に、外に飾っても変色しない磁器製品や装身具はいつでも見られて楽しめるので、その点はとてもありがたいです。

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日本人の本格的オペラ歌手第1号の藤原義江(1898〜1976)、やっぱりいいですね〜すべての日本人テノール歌手の歌を聴いた訳ではないのですが、推測するに、藤原の持っている歌手としての「力と華」には、おそらく今でも誰も太刀打ち出来ないと思います。もちろんこれは下手すぎると思う歌もありますし、情緒的な曲には藤原の押しの強い歌唱スタイルはあまり向いていないと思いますが、そういう人こそ「曲が当たった時」にはものすごい威力を発揮します。以前も紹介しましたが、youtubeで聴ける私の好きな一曲をここでも紹介します:

 

「ステンカラズイン」(昭和6年)

https://www.youtube.com/watch?v=BeD5OjSqWL0

 

戦前のレコードでしかも古い蓄音機なので音が籠っていますが、(残念ながら音声不明瞭で何を言っているのかわからない部分が多々あり、苦笑)聴いておわかりのように藤原はテノールでありながら実に声に厚みがあるのです。日本人はバス、バリトン(戦後なら立川澄人など)は皆さんなかなか上手いと思うのですが、テノールは何故かどうも発声が弱いというか、薄っぺらい感じがします。(もちろんこれは今まで私が聴いた中での話です)

しかし藤原の歌唱にはとんでもない欠点があります。というのは、歌詞の記憶違いが強烈だということです。今調べられる録音だけでもこれだけあります:

 

女ごころの歌(歌劇『リゴレット』より)

波をけり(歌劇『古城の鐘』より)

ケンタッキーの我が家

シューベルトのセレナード

ジョスランの子守唄

乾杯の歌(歌劇『椿姫』より)

 

特にこの『乾杯の歌』は、間違えているというか、途中で歌詞を忘れたのかごにょごにょ〜て〜いく、ごにょ〜ごにょ〜は幻、という感じで誤摩化しているのが丸わかりです、笑。

 

日本歌曲では、youtubeにアップされているピアノバージョンですが、

荒城の月(千代の松が枝〜わけいで〜)

それにしてもこんな有名な歌曲を当時の日本人が間違えるなんて・・・

 

軍歌では

軍神加藤少将(×覚悟は固→○覚悟は固

 

私が知っているだけでもざっとこんなものですから、長い歌劇の歌詞間違いは相当なものだったでしょう。しかも堂々と歌っているのでなんともすごい度胸です。細かい事を気にしないにも程があります、笑。歌劇団の創設者なので劇団の中では誰も文句が言えなかったのでしょうが、さすがにレコード会社はクレームをつけてもよかったように思います。当時はレコーディングは一発勝負で訂正が効かなかったのかもしれませんが、録音されたものは後世にわたり評価されるので、完璧な芸術を追及するという意味ではやはり気をつけて欲しかったです。本当に彼に対して

誰も注意しなかったのでしょうか?笑

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すらりとした姿の国内向けオールドノリタケボーンチャイナの花瓶です。普通の磁器製品よりも光を通すので地肌がとても滑らかで儚げな雰囲気です。戦前のボーンチャイナは生地が脆く、また色合いも骨粉があまり精錬されていなかったため真っ白ではなく柔らかい乳白色です。以前は有力なコレクターさんがかなりいたようですが、今でも若干のコレクターのいるミニチュア製品以外は実に手頃な価格で入手出来るようになりました。(要するに高値では売れなくなったということです)ちなみにオールド大倉もシンプルなものは今や殆ど値段がつかないようです。オールド大倉は薄いですが固いので私も安く買って普段使いにしていますが、ボーンチャイナの食器は見た目にも脆そうで使用するにはちょっと向かないでしょうか。高さ約21センチ。

 

少し上から表と裏を写してみました。

 

絵は五重塔らしいのですが、なんだかふにゃふにゃしていて正直すぐに倒れてしまいそうです、笑。でもそこがこの花瓶の可愛らしいところです。

 

サインがあるような、ないような・・・。

 

裏印です。高級品に着けられたピンク印です。

 

このような箱に入っていました。ボーンチャイナは高級品だったので、本格的に製造が始まった昭和13年頃には立派な箱に入れられていましたが、この箱はかなりチープなので、おそらく戦時色の濃くなった昭和16年前後のものだと思います。

 

可愛らしい薔薇の彫られた桃色珊瑚のスカーフピンです。デザインが明らかに女性向きなので、おそらく昭和に入ってしばらく経ってからのものだと思います。薔薇の直径約1センチ。表面は磨かれておらず彫られたままのさっくりした感じです。大変華奢でどこにもカケがないのが不思議なくらいです。大切にされていたのでしょう。

 

横から見たところです。かなり厚みがあります。

 

色はこちらの方が実物に近いです。綺麗なピンク色です。珊瑚は写真に撮ると色が飛んでしまうので結構難しいです。

 

刻印です。ちょっと見づらいですが「K18」とあります。

 

このような箱に入っていましたが合わせ箱でしょう。

 

スカーフに着けてみました。なかなか綺麗ですがう〜んスカーフはやはり白っぽい方が無難かな。