去年の10月ごろから、冊子の製作作業の息抜きに、twitter(X)で70年代特撮ドラマについてちらちら情報を検索しておりました。
70年代子ども向け特撮ドラマは知れば知るほど本当にメチャクチャで、ドラマとしての粗製濫造ぶりもそうですが、何より女性キャラの扱いが酷く、特に東映は視聴率獲得のために女子キャラにミニスカと白のアンダースコートを履かせてクソガキども男子小学生の目の前で足上げキックをさせるという、見るのも辛い若い俳優さんたちの映像が数多く残されています。まあそれだけなら時代のせいとも言えるのですが、今でも年配を含む特撮マニアの中にはそれ目当てに俳優や少女の丸見え画像を集めたりはしゃいだりするotaku系男子がヤマほどいるのには辟易しました。当時は激しく荒れた時代だったとはいえ、「ヒーローもの」の筈なのに子ども相手にこんなドラマを濫造していた東映その他の制作会社には本当に呆れてしまいます。
ただ、そんな特撮マニアではない私だからこそ発見?できた、今まで指摘されたことのなかったちょっと面白い点が見つかりましたので、これから述べるこの一点だけ記録としてブログに残しておきたいと思います。昭和中期のテレビ文化史にご興味のある方に気軽にお読みいただけましたら幸いです。
『子連れ狼1』18話「三畳一畳二合半」監督田中徳三。
柳生への復讐に生きる拝一刀に「怨念を捨て刺客道を捨て人らしゅう生きよ」と説く刺野左近。
「子を想い、人間らしゅう生きようとは思わんのか・・・捨てられい刺客道を」
左近が一刀に対し復讐はやめろやめろとえらく自分の主義主張を押し付けてくるので、「このシチュどこかで観たような?」と思った瞬間に「あっこれって『仮面ライダーV3ライダーマン編』と同じ!」ということに気づきました。
[子連れ狼]のプロット
公儀介錯人の地位を手に入れんがために裏柳生が策略を持って一刀に「反逆者」の汚名を着せ、一族皆殺しの上一刀を抹殺しようとしたが一刀は辛くも脱出、かろうじて生き残った一子大五郎を連れて柳生への復讐のため刺客となって諸国を放浪する。
「お断り申す。冥府魔道は我ら親子で選びし道なれば、ご助勢の段はあえて無用に願いたい」(よく出てくる常套文句)
[ライダーマン編]のプロット
科学者グループNo.1の地位を妬んだヨロイ元帥が結城丈二に「裏切り者」の汚名を着せ、結城を抹殺しようとしたが結城は部下を皆殺しにされつつも辛くも脱走、失った右腕に取り付けたアタッチメントを駆使してヨロイ元帥への復讐のためにライダーマンとなって戦う。
「協力は断る。僕はデストロンのために、僕のこの手でヨロイ元帥を倒す!」
あ〜これはもしかしたらと思いじっくり見比べてみたところ、やはりいろいろなシーンでかなりの共通点が!
「拝殿、あの斬奸状に書かれていたことは本当だったのだな!」
「知らぬ・・・知らぬ・・・それがしには全く身に覚えのないこと・・・」
「結城丈二、数々の裏切り行為によりお前を逮捕する!」
「逮捕だって?・・・」
「謀ったなやぎゅうぅうう!そうか、裏柳生の差金か!」
「そうか、裏切り者の名を着せて僕を殺そうとするのはヨロイ元帥、貴様のワナなんだな!」
それから、一刀も結城も復讐の相手はあくまで自分をここまで追い込んだ柳生もしくはヨロイ元帥で、組織(幕府orデストロン)や長(将軍家or首領)への忠誠心は全く揺るぎないというところも同じです。
ここまで来たらライダーマン編が子連れ狼のプロットをなぞっているのはほぼ確実なのですが、両者が似ているシーンはまだあります。
屋敷を襲撃され皆殺しに遭いつつもかろうじて生き残った赤ん坊の大五郎を一刀が抱くシーン、同じくライダーマン編でも結城が団地襲撃で生き残った(これはワナでしたが)赤ん坊を抱き上げるシーンがあります。この赤ちゃんの登場がやや唐突だったので以前から疑問に思っていました。
「母がそなたを守ったのか・・・」
「赤ん坊の声・・・生き残ったのか!」