細工の細やかな彫金細工の銀製の帯留めです。百合の花の部分には薄く金鍍金が施されています。メルカリで長い間放置されていたようですが、最近私が見つけて比較的安価でゲットしました。錆びて真っ黒になっていたので誰も銀製とは気づかなかったようです。色金をふんだんに使った有名作家の彫金細工は流石に素晴らしい(しかも非常に高価!)のですが、こういう銀一色の帯留めも細工がよければなかなか見応えがあります。銀の板を裏から打ち出して造っていますが、当時の職人の腕前は本当にすごいですね。直径3.5センチ。

 

中心が盛り上がるように立体的に造られています。時代ですが、リアルな造形からみて明治期の海外向け銀器の流れを汲むものと思われますのでおそらく大正期でしょう。牡丹の意匠のものは結構あるのですが、百合はなかなか珍しいと思います。

 

 

 

大正頃の三越の箱に入っていましたが、表に「壽恵廣」とありますので残念ながら合わせでした。

 

裏側です。

 

「光政」の銘があります。

 

同じような大きさの銀製の帯留めが桜・菊・百合とうまく揃いました。最高級の彫金細工の帯留めはもう価格がハンパないのですが(しかも市場に出回らずに有力コレクターさんのところへ直行のケースも多いようです)、それほど高価でなくても当時の職人技を十分楽しめるものはよく探せば時々見つかります。