今回は、大正時代に一定以上の富裕層が身に着けていた女性用懐中時計鎖(短鎖)をまとめてご紹介します。
デザインも豊富で本当におしゃれなのですが、よほど気をつけていないとすぐ壊れそうな、なかなか使い方の難しいジュエリーのひとつです。日本で短鎖が使用されたのは、大正時代から昭和初期に腕時計が普及するまでの15年間程度でしたが、かなりの人気アイテムだったらしく、当時のカタログにも必ずといっていい程掲載されていますし、実物も根気よく探せば今でもポツポツ見つかります(といってもリングに比べるとやはり数は圧倒的に少ないのですが)。
高級品なので基本的に造りがしっかりしています。
ダイヤモンドが飾られた高級タイプ
合成石のついたモダンなタイプ
幅広のチェーンにチャームを付けるタイプ
左は房型タイプ、右は装飾部分が直についているタイプ
服部時計店製
このように懐中時計に付けて使用します
短鎖は造りが繊細なため、金具が破損していることが多いのですが、その構造を写真で簡単に説明しますので、今後短鎖をご入手される際の参考になさってください。
表側
裏側
このような状態です
突起を下ろしたところ
この状態で帯に挟んで、また突起を上にあげるとカシっと留まる仕組みです
金具だけ見ても本当によく出来ています。この突起が取れているケースが多いので、入手の際はご留意なさってください。