最近ちょっと調子が戻り、久しぶりにマーラーの交響曲・歌曲を聴いて楽しんでいます。歌曲にはやはり表現の繊細なフィッシャー・ディスカウの声が合いますね。マーラーのゆったりした響きは心を落ち着かせる働きがあるのでお勧めです。
近々新規のアンティーク品をアップする予定ですが、皆さまのお役に立てそうなブログネタもありますのでどうぞお楽しみに。
[ちょっとひと息]第二弾ですが、前回の予告どおり後半をアップしますのでよろしければご覧ください。子どもを対象とした昭和特撮ドラマは、今観るとあらゆる点でぶっ飛んでいる(笑)ものが多いのですが、70年代には実に何十本という作品が立て続けに制作されたことを考えると、やはり時代の需要があったのでしょう。大学で昭和文化史を研究している方々には、面白い研究材料として是非注目していただきたいものです。
前回は、73年に放映された少年向け特撮ドラマ『仮面ライダーV3』(東映制作)のライダーマン編についてお話しましたが、再視聴して気づいたことがありました。
これらのシーンを見ると、宮内洋の方がだいぶ背が高いように見えますよね。ところが並んで歩いているシーンを見ると、
実はほぼ同じなんですよ。
これは他の作品でも確認したのですが、普通に並ぶとやはりほとんど同じです。
ということは、二人が対峙する時は、宮内洋が何かの上に乗って、常に山口を見下ろす構図になっているのですね。「反社会的思想に走った結城を教え諭す側の風見」を優位に立たせるための演出だと思うのですが、
いや〜そこまでしますかね・・・汗
まあ他のドラマでも同じようなことをやっているのかもしれませんが、動くとすぐバレるのでこれほど露骨なことはしないでしょう。もちろん山口も承知して演じているとは思いますが、何だか当時の製作側の意図が垣間見えた気がしました。
宮内洋と山口暁、この二人はその後のリアルな俳優人生でも実に光と影、陽と陰でした。宮内の方は、続けて必殺シリーズ第3弾『助け人走る』の龍役で追加レギュラーとして出演し、その後は次々に人気特撮ドラマや時代劇番組の主役やレギュラーで活躍します。
『助け人走る』第20話より 髪型がまんま風見志郎(笑)
山口も続けて特撮ドラマ『電人ザボーガー』の主役を獲得しますが、ネット上の画像で見るとぶっちゃけ涙が出るほどチープ!(号泣)宮内始め他の特撮俳優とは別格の演技力を持ち、こんなにオーラがあるのに何故・・・と山口さんが心底気の毒に思えました(後で知ったのですが、これは所属事務所の力の違いだったようですね)。当時の番組予告がyoutubeで観られますので(ドラマの一部なので違法ではないと判断して、笑)ご覧ください。→☆
それからだいぶ経って、あるところでその本編を観る機会があったのですが、
いや〜目を疑いましたよ、これが結城丈二と同じ役者とは全く思えない
もちろん役が違うから当たり前、という話もあるのですが、これはもう全く予測不可能なブチギレぶり!しかもこのこなれたアクションは、ちょっとやそっと練習したからといってすぐに身に付くものではありません。あまりにも衝撃的だったので、結局「Σ団編」(第39話まで)を一挙に観てしまいました。とにかく山口のアクションのレベルは映画並みに凄い!JACの千葉真一や宮内のアクションはリアル性を重視した武道がベースなのですが、山口の動きは男子体操の床運動を思わせるしなやかさがあり、とても身軽で爽やかです。ドラマでは、危険なバイクの転倒シーンや難しいジャンプシーンを除き、すべてスタントなしに山口が体を張って演じています。
事情によりちょっと映像が悪いですが、笑
しかも、体が締まっていて肩幅がある上、とにかく脚がメチャクチャ長い!当時の男性は今と違って骨太でがっちりした体型が多かったようですが、山口は現代基準を余裕で超える見事なプロポーションです。
「飛龍、三段蹴りーーーイャアアア!」
※スタントではなく本人です
しかも・・・
完全に振り切りすぎの顔芸!ダメだ笑いが止まらない爆
元のイケメンに戻って本当に、本当によかった(涙)
素がこれほどの美形だからこそ笑える変顔ですね
タイトルの「ザボーガー」というロボットは、主役の大門豊の戦闘用の武器みたいなもので、実際のドラマの大部分は大門がアクションと演技で回しており、名優根上淳と敵側で演技力の確かな藤山律子がそれを補佐する形で進行します。要するにロボット特撮ドラマというよりも、山口の美貌(と変顔笑)と本気の熱血アクションが見所の、子供向けカンフーアクションドラマなのですね。この激しい撮影を毎週放映で1年以上も続けたのですから本当に大したものです。子どもや男性はどうしてもチープなロボットに目が向くのでしょうが(大門の命令でピコピコ動くザボーガーも可愛いのですが笑)この作品は大人の女が観た方が数倍楽しめると思います。
右は新田警部役の根上淳