おそらく大正末〜昭和初期のものと思われる、御木本製の流麗な波デザインの帯留めです。箱はありませんでしたが真珠の傷みもほとんどなく、とてもよい状態です。シンプルですが造りがよく、とても上品なデザインです。帯留めの長さ6.2センチ。

 

 

 

裏側です。真珠は半円真珠と思われます。

 

背景を変えて写してみました。

 

横から写してみました。少し前後に湾曲しています。

 

留め金具です。私の知る限りでは、御木本製で帯締めを通すタイプの帯留めはすべてこのパターンです。

 

このような引っ掛け式になっています。

 

刻印です。「貝にM」「K15」とあります。

 

本体の刻印です。「縦長の四角にM」、少し不鮮明ですがおそらく「K15」の刻印があります。

 

この「縦長の四角にM」の刻印ですが、噂には聞いていましたが今回初めて手に取って見ることができました。帯締めは全く手を加えられておらず、金具や本体を取り替えたりした形跡がないことから、この刻印も、「貝にM」と同様に、戦前の御木本製品に正式なロゴとして使用されていたものと判断できます。ただし、この2種類の刻印がどのように使い分けされていたのか、もしくは特に使い分けがなかったかどうかについてはまだわかりません。