久しぶりに銀製スプーンを入手しました。未使用に近い、とてもよい状態です。時代は共箱から昭和に入ってからのものと思われます。今でも秋田に店を構える、創業天保元年の銀器専門店「竹谷本店」製です。竹谷の銀器は、秋田県の名産である秋田蕗をモチーフとしたデザインが多く、以前秋田蕗の彫りのある銀瓶を見かけたことがあります。何といっても造りが丁寧で、宮本商行や服部時計店のものとは一味違った、質感のよい上品なスプーンです。一本の重さ16.5グラム。

 

 

 

 

葉にかかった小さな露まで細かく表現してあります。艶消しを施しているので、造形がとてもリアルです。

 

刻印です。

 

共箱です。

 

 

 

同じ竹谷製の大正時代の猪口と並べてみました。これにも秋田蕗が彫られています。

 

猪口の共箱です。