【本文】
衆山須彌最 衆流海爲最
衆經億百千 戒爲第一最
欲求第一最 今世及後世
當持此禁戒 終身莫毀犯
除結無罣礙 縛著由此解
以戒自觀察 如鏡照面像
夫欲造善法 備具三種業
當審觀其意 如羅云經説
所以立王者 由世諍訟故
衆人之所擧 古昔之常法
犯罪者知法 順法者成就
戒律亦如是 如王治正法
如醫觀衆病 進止得其所
可治則進藥 不可者則捨
(T1428_.22.0567c)
【私釈】
山の中には須弥山が、水の広さは海が一。
お経も数々あるとても 戒律の法は第一ぞ。
どうせだったら一番だ この世およびにあの世まで
まことにやらかさないことぞ。一生やらかさないことぞ。
煩悩除いて障りなく、 執着もこれで解かれたり。
やらかす基準で自分みる 基準の参照、鏡の如(ごと)。
それ善いことをするならば 3種の内容必要で
まずは気持ちを確認と 羅云経に説かれたり。
なぜと言うなら世俗でも、王と訴訟の如くなり。
みんなの挙げるを取ることは 昔からの常識ぞ。
罪ある者は罪を知り、法に順うは成就を得(う)。
戒律もまた同じなり。 王の法治をなす如し。
医者の病気を診るならば、禁忌とするを知る如し。
まさに薬をすすめると、禁忌事項は捨てるよう。