【訓読】
凡そ違順は倶に非の縁増え、三毒は等分の惑なり。
慢幢未だ折れず。業海傾き難し。その心念々に世間の楽を欣う。
常にその臭き身を安じてまたその痴心を悦ばしむ。
若し種姓高貴の家に生まれれば、自在威勢を誇り、恣に罪業を造る。
若し貧窮下賤の身を受ければ、官位福禄を求めてとこなえに悪念を起こす。
止観に曰く、若し富貴なれば心を縦てて罪を造り、若し其の貧窮なれば悪念また広しと云々。
貴賤貧富、共に罪障の器なり。
日夜に専ら名誉を四遠に飛ばさんと憶い、朝暮に唯だ利養を一身に貪るを営む。
【私釈】
凡そ物事が上手くいってもいかなくても、もっと思い通りになれとかなんで思ったようにいかないんだとか心が惑うことが増える。
まことに貪り、怒り、愚かさというのは凡夫に各々具わっている惑いである。
慢心は無くならないし、業は深いものだ。どうせ世間的な快楽しか思ってない。
糞袋のくせに皮一枚きれいに飾ってすましこんで自分で悦にはいってバカみたいである。
もし金持ちや地位のある家に生まれれば、ワガママばかりでロクなことをしない。
もし貧乏だったり社会的地位のない家に生まれれば、なんで俺ばかりこんな目にと欲望に駆られてロクなことを考えない。
『止観』に「若し金持ちで地位があるなら身を縦にし心を縦にし、踏ん反りかえって慢心して罪を造る。
若し貧乏で人生うまくいかないと思っていれば、道徳的弱者としてロクなことを考えないだろう。」と説かれているとおりである。
地位があろうとなかろうと、金があろうとなかろうと、どっちでも凡夫は業が深いものだ。
いつも自己顕示欲を満たすことばかりかんげて、朝晩どうやって相手を出し抜いてやろうかと考えてばかりである。
当寺関係者を名乗りメール等を拡散し霊感商法を行うものがいるとご連絡を頂きました。
当寺では関係者が無用のご連絡をすることはございません。よろしくお願いします。
このブログはブログ主が主観に基づいて仏教全体を体系的に書こうとしているブログです。
突発的な記事を除き、現状以下のような流れで記述しました。よろしくお願いします。
第1章 カテゴリ 顕教
「伝統教学とは」から始まります。
第2章 カテゴリ 四無量心(倶舎論)
第3章 カテゴリ 閼伽ー布施波羅蜜ー
第4章 カテゴリ 塗香ー持戒波羅蜜ー
第5章 カテゴリ 華鬘ー忍辱波羅蜜ー
第6章 カテゴリ 焼香ー精進波羅蜜ー
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