月輪観の事4 | 光明の生活

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実相無漏の大海に、五塵六欲の風は吹かねども、隨縁真如の波の立たぬ日は無し。まあそんな感じです。

【私釈2】

 
地球全体を俯瞰したときに、無限の相互関連の中に一般に悪いことと認識されていることも全体の調和の内の事であると認識されます。
これを「三毒十惡は變じて曼荼の功德となり」と言います。
 
同様に無限の相互関係の中に一つの事態には表裏の相があることを知り、その意味を認識します。
これを「四重五逆は轉じて瑜伽の業行に帰す」と言います。
 
心月輪に顕現した色法、つまり地球全体の諸々の事態は同時に自分の心所法、心の働きの象徴です。
 
『大日経』においては百六十心をもって代表されますが、それは無量の心の働きのことです。
この無量の心の働きが表裏として無量の物質としての事態を象徴しています。色心、能所、身土、事理、理智、智悲不二の義です。
 
そのように不二として諸法があることを善悪の主観を離れて観たときに、諸法の本有法爾を観察することになります。
故に「一百六十の妄執は斷道を仮らず自を絶ち。八萬四千の邪惑は對治を待たず忽に消す」と言うのです。