今だに弱肉強食とは | The sign of
「大津市いじめ自殺事件」でも聞かれたのだが、
「弱肉強食」が、本来の意味から離れた言葉が一人歩きして別の使われ方をしている。

本来は、
(昔、獣の世界のように)弱いものの肉が強いものの餌となった時代があったが、人は、改善して、そういうことのない社会をつくっている、
と、いわゆる「弱肉強食」を否定し、社会秩序の大切さを言ったもので、
中国の唐代の韓愈(かんゆ)のことばの一部「弱之肉、強の食」からきている。

弱肉強食の部分だけを自然の真理のように使う人が多いが、
韓愈も、また現代の動物学者も、そうは言っていないから、文字面からの誤用といえる(笑)。

近代で使われたとしたら、
独裁者や圧制者が自己を正当化するためのものだったはず。
学者だった韓愈が、暴虐を正当化する便利な言葉として使われていると知ったら、泉下で泣くだろう。

ちなみに20世紀にはすでに、自然界は弱肉強食ではなく「適者生存」だと言われていたので、
今どき弱肉強食が真理と言うなんて、100年くらい古い知識をひきずっている(笑)。


いじめ事件一般で言うなら、
通り魔が通行人を襲うとき、ほとんどの人は、そんなことがあるとは思わずに無用意でいるだろう。
それと同じで、正当な理由がなくおそい、いじめたものが強いなんてことはなく、異常な行動というべきだ。