坂本九にパニックをおこした10時間前が遠い昔のことのよう
午前2時だから本日7時までベットから降りるの禁止
手術前に届くところにセットしておいたOS1を飲もうとして下腹部の違和感に気がつく
あれ?
お股からも管が
そうだ、尿管もついている
そう思った瞬間、下腹部に張りを感じる
気のせいかな
いや、気のせいじゃねえ
絶対、尿が膀胱に溜まってる
出てない、詰まってる
副交感神経を最大限に意識しリラックス
トイレをイメージし尿を出してみる
尿管を注視するが流れてくる様子なし
お腹が張って苦しい
酸素チューブを勝手に取るのだってNGだけど、7時まで立ち上がり禁止なのに尿管引っ張り出したらブラックリスト決定に違いない
トイレ行きたい
荒くれ者のドラマの主人公っぽく尿管を引っ張り出し、トイレにダッシュする妄想
そもそもカッコイイ主人公が尿管引っ張り出すシーンはないか
お腹の痛みと戦う中、また看護師の巡回
寝ていると思っていたのに
おめめパチーンの私と目が合う看護師
看護師「あれ?小梅さん、酸素チューブ取れちゃったかな?」
ヤバイ、見つかっちまった
「取れちゃったかもしれないです」
もう一度、装着
「大丈夫ですか?もう脚動きます?動くなら飲み物も食べ物もいいんですよ。もう1日以上何も食べていないし」
脚の感覚が戻れば、腸も動き始めているので、飲んだり食べたりオッケー
しかし手術の時間が夕方のため、病棟の夕食提供時間が終了しており手術前に自分で準備しておくよう言われていた
食いしん坊の私は大量に売店で購入
それに加え超絶腹が減っている元気な手術前に看護師を通して夫から渡された大量の食糧の差し入れが目の前でスタンバってる
なんでこの瞬間と殺意も覚えたが
そんなつまらん事はどーでも良くて
「下腹部が張って痛いんです」
「あら、オシッコ詰まっちゃったかな?」
「尿管とって欲しいです」
「脚の感覚戻ってるけど、明日の7時までベットから降りちゃダメなの。先生に聞かないと」
ベットを降りてはならない、すなわちトイレは行けないという事で尿管は外せないという事
看護師がお腹を押したり、腹部残尿量を測定したりして、最後は当直医に確認し管を抜いてもらえる事に
トイレダッシュ
手術中は看護師が天使に見え、今は天国にいるよう
自由にトイレに行ける事、当たり前だけど足が動く事、病院スタッフの方々、色々な事に感謝した入院
今後は手術で切り取った肉片が病理検査に出され結果待ち
このまま経過観察なのか、追加治療が必要なのか、結果は次回の診察までお預け
次の日、無事に退院
夫が車で迎えに来てくれた
「ごめん、小梅ちゃんが術後なのに病院職員の駐車場近くの遠い場所に駐車しちゃった」
お買い物以外はとても奥ゆかしく控えめな夫は駐車場は建物入り口から一番遠い場所にいつも停める
「いいよ、もう超絶元気だから」
そうなのだ、マジで手術を受けた事を意識しないとマズイ程、普通に動ける
お股から血は少量出ているが、12歳から毎月出ているので特に気にならない
普段は30キロの米袋も平気で運ぶ怪力女ではあるが、
いちお、夫に荷物を渡す
夫「小梅ちゃん、昨日の手術後に手術室から出てきた時、声かけたけど眠ってたよ。」
なんてったって起きたの10時間後だもん
夫
「でさぁ、手術室から出てきたのが16時50分で、手術後に家族相談室で医師の説明があるって聞いてたのに、小梅ちゃんが出てきた時、担当医から終わりましたの一言で特に説明がなかったよ」
終わりましたって見れば分かるじゃん
「まぁ、不測の事態がなければ、終わりました以外に話すことないんじゃないの」
夫「そりゃそうか、無事に成功したということか」
ありがたいねと夫と担当医に再び感謝
夫「でもさ、さっきも言ったように16時50分に手術終わって、医師の話もないからそのまま駐車場に戻ったんだけど、17時05分に俺が停めた場所のすぐ隣の病院職員駐車場で担当医が車で猛スピードで帰るとこ見たんだよね」
私「術後から15分でもう駐車場にいたの?」
夫「そうそう、想像だけど急いで帰りたかっただけなんじゃ」
ソレな
いやいや、手術をして頂いた身には神の存在である医師や看護師だってアフターファイブだってある
術後15分で駐車場にいたなんて、どんだけ急いでいたのか
凄く忙しい中、私の手術をして頂きありがとうございますと職員専用駐車場の方向を向いて一礼