申請者の住所が基準 | 手話通訳者のブログ

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オカチメンコ市から派遣依頼書がファックスされてきた。

日 時:3月×日(日)
時 間:13時~15時
場 所:アンタッチャブル市民会館会議室
内 容:アンタッチャブル市サッカー協会総会
申請者:嵐山浩一

手話世界の権力者どもによって「主催者負担」の考え方が定着しつつあるが、上記のようなケースが今でもある。

コーディネーターが、サッカー協会に連絡して、「手話通訳者派遣費用をご負担ください」と要求する。
しかし、サッカー協会としては、「急に言われても、そんな費用は出せない」という回答になる。
コーディネーターが申請者(ろう者)に連絡して、「手話通訳者派遣できません」と言うと、「えっ、どうしてですか!?」ということになる。
すったもんだの末、「今回だけ、公費で派遣します」という形で落ち着く。

当日。
いつもなら、相手のろう者はすぐに判る。しかし、今回はまったく勘が働かない。
仕方ない、補聴器をしている人を探そう・・・
その時、会議室に入ってくる、オダギリジョーを清潔にしたような(オダギリジョーさん、ごめんなさい)青年と目が合った。青年は補聴器をしている。
この青年が、申請者の嵐山氏だろう。

こんにちは。本日手話通訳を担当します、たいしと申します。
「嵐山です。たいしさんって、あの、たいしさん?」
はい。手話世界の狂犬です。
「アンタッチャブル市の設置手話通訳者に、嫌われているらしいですね」
よくご存じですね。
「たいしさんからの、アンタッチャブル市への登録申請、設置の利権さんが却下したそうですね」
どうして知ってるんですか?
「利権さんが嬉しそうに話していました」
あの馬鹿・・・
「たいしさんは、アンタッチャブル市では干されている、と聞きました」
その通りです。
「でも、今日、こうやって通訳に来てくれた。干されている、というのは、嘘?」
本当です。
「・・・・」
手話通訳者派遣は、申請者の住所が基準となっています。
「住所?」
嵐山さんは、オカチメンコ市在住でしょう?
「そうです」
俺は、オカチメンコ市登録手話通訳者なので、今日、こうして派遣されてきたわけです。
「あ、そういうことなんですね」

手話通訳者派遣制度は、この世界に関わっていない人には非常にわかりにくい。
当事者である嵐山氏でさえ、よくわかっていないようだ。