息子のコウマ@16歳ニコニコ染色体異常で自閉症。

 

息子が息子自身の人生を認識できるようになってきて、、、

思うところあって半年ほどブログを書くことをやめていました。

たまーに覗きにきてくださる皆様。ご無沙汰しております。

 

2023年度、息子が高校一年生であるのも残りわずか。

 

近況報告として残します。

(一定時間経過後、アメ限にする予定です。)

 

近況報告。

 

ずばり、ピアノを買い換えました!!

小学1年生からずっと、カワイさんのCN25という電子ピアノを利用していました。

プラスチック鍵盤のピアノでしたが10年間使いました。

まさか、こんなに長くピアノを弾くとは思わなかったので・・・いつか辞めるだろうと思って生ピアノは買いませんでした。

自閉症だからなのか?愛着なのか?この電子ピアノへのこだわりが強く、買い替えできない状況でもありました。

 

高校生(特別支援学校生)になってからは帰宅時間が遅く・・・弾ける時間もかなり限りがあり・・・

私は弾けないし分からないので、練習も全てが本人の采配となってしまい口出しできなくなり・・・

 

しかし、ついに音が出なくなり、解体して基盤を移動させたりしてなんとか凌いでいましたがそれも限界を迎え。

チェルニー40番を修了し(規定の7割程度のスピードです。)、弾く曲も難しくなってきたので(中級者!!)・・・

せめて木製鍵盤を!と思い、電子ハイブリッドピアノを中心に選ぶ予定でした。

2023年12月上旬に、運命の出会いが・・・。

県外のとある大きな中古のピアノ屋さんで・・・

調べてみたら、そこに一台だけトランスアコースティックピアノが入荷していました。

ちょうど夫が仕事関係で近くまで現場を見にいく日で、ドライブを兼ねて急遽実物を見にいくことに。

倉庫に案内されて、たくさんのアップライトピアノが保管されている、大きなホールのような倉庫の中で試弾。

 

「高輪ゲートウェイのピアノだおねがいこれ、一生弾くので、買ってください。持って帰ります。」

よく立ち寄る、高輪ゲートウェイのストリートピアノと同じ型番でした。

 

滅多に物をねだらない息子が、究極の大物を要求してきますガーン

 

でもCN25にこだわって、どんなハイブリッドピアノも「僕の優しい音じゃないショボーンこれはいらない」と言っていた息子が・・・

ついに、ピアノの入れ替えを許容してくれた!!今しかないのかも!!

機種はヤマハのYU11TA2。

おそらく展示品として長く使われていたものが、最新機種への置き換えで中古として流れてきたもののようでした。

 

我が家は、集合住宅のために生音での演奏は土日にほんのわずかのみ。

あとは、ヘッドホンか、電子ピアノしか選択肢がありませんでした。

 

見つけた中古ピアノ、地味にすごい機能がついていて・・・

生のアコースティックピアノに電子ピアノの機能が付属しており、音色とボリュームの調整ができるのです。

 

生の鍵盤、生のアクション、生の響板・・・音だけ電子という使い方ができます。

 

スピーカーよりも響板スピーカーの方がアナログ的でエモーショナルな印象。

 

YAMAHAのハイブリッドピアノと収録されている音は同じ物だと思いますが聞こえ方が違ってきます。

そして、この機種は一番オーソドックスで世にたくさん販売されている1型アップライトピアノなのですが、、、

それでも生の音ってこんなに艶っぽいのだなと、感心してしまいました。

値段がもっともっと高いピアノもあるなか、一番オーソドックスな汎用モデルでこんな音が出るなんて!!

YAMAHA恐るべし!!生ピアノ恐るべし!!

 

ピアノ屋さんの店長さんの話によると、この機種。。。現行はYU11TA3というのだそうですが年々新品の定価が上昇しているとのこと。

ピアノに使える木がもう、あまりなくてピアノ自体を作るのが難しい時代になっているそう。

 

我が家にとっては前の電子ピアノの10倍ほどのお値段でしたが・・・

清水の舞台から飛び降りるような気持ちで、この日出会った中古ピアノを購入しました。

(しかしそれでも、倉庫にあるピアノの中では相当に安い部類のはず。)

クリスマスイブに、我が家に届き、先日初めての調律を終えました。

調律師さんはとても親切で、、、440ヘルツでいいですか?と聞かれたのですが、何も分からず。

終わったあと、442Hzに調整しましたよと教えてくれました。

なぜ?と聞くと、息子が電子音の設定をわざわざ442に変えていたそうで、、、

演奏されるご本人がきっと、この音が好きなのでしょうと・・・

帰宅後息子は、そうそう!!442HZでよかったのニコニコと。

痕跡で演奏者さんの気持ちがわかるんだなぁと、感心してしまいました。

 

息子は、シゲルカワイの音に最後まで未練があったようで、それが収録された新品電子ピアノと迷っていましたが・・・

昨今はピアノ音源をPC用として購入できるので、慣れてきたらそういうものを購入してもいいかなと思います。

 

(MIDI機能を利用したPCピアノ音源は、3万円前後で購入できるようです。シゲルカワイの他にスタンウェイ、ファツィオリなども・・・電子機能がついたピアノの強みでもあります。すごい時代になりましたね!!ちなみに、YU11TA2に内蔵されているのは、ヤマハのCFXコンサートグランド(バイノーラル可)とベーゼンドルファーでした。あくまでも電子音ですが、なんという時代!!すごい贅沢だ・・・)

 

今は、実習の合間のリラックスも兼ねて、ショパンの9−2のノクターンを練習中。

この曲、弾けるようになるのは思うより簡単だけれど、聞けるようになるまでが思うよりずっと難しい。

ルバート(テンポの揺らし)はするのですが、本人が独特なのでソコなの?ソコでいいの?という場所。

次に弾きたい(コウマの勝手な希望)、華麗なる大円舞曲。

休憩しながらゆったり弾くのは、合唱曲のCosmos。

これら、全て変ホ長調メイン(転調が入るものもあるけれど)らしく。。。

本人の中で変ホ長調音符ブームのようで、この3曲をくるりくるりと混ぜながら弾くごとに少し上達させる方法で練習しています。

相変わらずの、独特で変な練習方法(笑)落ち着いて一曲ずつ、できないものなのかしらショボーン

もう、私が教えられることなんて何一つないので、勝手気ままに流れてくる微かな音を聞くしかできませんが、楽しそうです。

ピアノのアドバイスの全ては、ピアノの先生にお任せしています。

 

しかし、、、このレベルになってくると、息子の小指の奇形はかなり深刻な問題で・・・

もう、コンクールに出るとか、上手に弾くとかはきっと諦めなければならないのだろうなと分かっています。

先天性小人症で、成人女性より小さな手。そして、ラッセルシルバー症候群の合併症である小指の側弯曲。

人が聞けば、へたくそかもしれない。。。指の形、指番号は絶望的に美しくないかもしれない。

見た目、それほどに派手な奇形ではないので、ただの下手くそとして見逃されがちですが、ピアノを弾くなら根性だけじゃどうにもならない場所。

でも、下手だからピアノを諦めなければならない理由にはならないし、ナンバーワンじゃなければ弾いちゃいけないわけじゃない。

 

一生弾くと、本人が言っているので、、、まだまだ音楽がある人生を歩むつもりのようです。

 

我々はそろそろ、親亡き後のことも考えなければならないのですが。。。

施設、グループホーム、一人暮らし。。。

親亡き後の居場所を考える時、このピアノ一緒に持っていける環境を用意してあげたいなぁ・・・。

すごい難しいけれど、叶えてあげたい。

今はそんなことを考え始めています。