初診時の3ステップ診断 | 歯科研修医・若手歯科医師のための口腔外科マニュアル

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歯学部生・歯科研修医向けの口腔外科の小手術に関するコツを紹介します。昔、何もわからなかった時の気持ちや学んだことを記録します。このブログが歯科医師を志す若手の力になれたら嬉しいです。


1
)初診時の3ステップ診断
2
)編集後記

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こんばんは。古舘 健です。

今日もご訪問いただき、ありがとうございます!!

前回は「縫合と創治癒」についてお話ししましたね。

創の治癒を邪魔しない縫合を心がけましょう。

創の両側で垂直的・水平的に同じ組織量で縫合し、層構造を合わせます。

きれいな創になれば、患者様も術者もうれしいですね。

さて本日は「初診時の問診」について一緒に考えていきましょう!

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初診時の3ステップ診断

ある程度、治療ができるようになると。

新患を任されるようになります。

 

新患のときは、治療方針を決めるために。

問診(医療面接)をしなくてはなりませんね。

 

新患はどんな患者様が来院されるかわからないので不安になります。

自分が手におえない疾患だったらどうしよう。

怖い患者様だったらどうしよう。

 

問診について、教科書や実習を必死に思い出してみても。

問診の一つひとつの項目が詳しすぎて、どうしたらいいのかわからなくなりますね。

 

わたしがそうでした。

 

問診では、最低限の検査と時間で臨床診断をつけられるかが大切です。

 

どうしたらいいのでしょうか。

 

初診時の3ステップ診断を意識してみてください。

 

予想診断⇒臨床診断(治療方針)⇒確定診断







 

決定的な所見を探し、まず予想診断をつけます。

 

その予想診断に必要な所見を集め。除外診断をします。

臨床診断を決定しましょう。

 

そして追加の検査をして、確定診断します。

この順序で問診(医療面接)してみましょう。

 

最初の段階で全ての所見をとることは合理的ではありません。







情報がありすぎると混乱するからです。



①から③の順序で進んでいきましょう。


①カルテの表紙

 1)年齢

 2)住所

 3)保険

 

②紹介状・問診票(参考程度)

 

③問診

 1)主訴「今日はどうされました?、一番辛いのはドコですか?」

 2)現症(ピンポイント視診と触診で部位を確認)

 3)XP検査

 4)現症(全身⇒口腔外⇒口腔内)

 5)既往歴・家族歴

 

 

決定的な所見をとるために。

現症のピンポイント視診と触診、XP検査の画像が有効です。

 

臨床診断は、以下の疾患でいずれの疾患なのか。

問診の1)2)の段階までに大まかに予想しておきます。

 

常に、疾患名と現症を比較し、疑いましょう。

悪性腫瘍と神経・心因性疾患を除外診断としておかなくてはなりません。

 

大切なのは、「その病変が結局、何なのか」です。

・炎症なのか。

・腫瘍なのか。

・嚢胞なのか

 

【紹介状・問診票で予想できる疾患】

先天異常・発育異常

血液疾患

外傷

 

【視診と触診である程度の予想できる疾患】

炎症

粘膜疾患

 

【画像診断が必要】

顎関節疾患

腫瘍・腫瘍類似疾患

嚢胞性疾患

唾液腺疾患

 

口腔外科は口腔およびその周囲組織に生じるすべての疾患を対象としています。

 

口腔は口腔前庭と固有口腔からなりますね。

口腔の特殊性として、硬組織と軟組織が混在しています。

 

軟組織は視診や触診が有用ですが、硬組織におよぶ病変がある場合、画像診断が有用です。

 

いたずらに診断や治療を伸ばす経過観察は、避けたいところです。

待機的診断として、経過観察も一つの選択肢であることは念頭においてくださいね。

 

わからないことは、わからないときちんと話し、新患を頑張ってみてください。
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2
編集後記

これから仙台にいってきます。

今日(2014913日)は、いとこの結婚式です。

盛大にお祝いしてきたいと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございます!

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