本日(7/9)、考える会は記者会見を行い、これからどうするかの声明文を発表しました。
【声明】県民世論の反対を押し切って、県立高等学校適正化実施計画の県議会可決強行に抗議します。引き続き、奈良高校の改築問題からはじまる県立高校の適正化、特色化には断固反対し、運動を進めます
2018年7月9日
「県立高校の削減を考える会」
(事務局・奈良県教職員組合)
7月3日県議会は、「県立高等学校適正化実施計画案」を、賛成多数で可決しました。この間、平城高校保護者会から2万筆以上の反対署名が提出され、「考える会」も6千筆以上の署名を提出し、「計画案」の中身の問題が県民的に大きく広がると同時に、反対の世論が日に日に高まる状況が生まれました。また県議会において、校名をあげてわずか20日あまりで、「計画案」を早期に議決を行うのではなく、丁寧に進めるために、少なくとも“延期を”という「請願書」も出されました。
6月8日にはじめて校名を含む全体計画が具体的に明らかになったわけであり、該当校の生徒や保護者、地域住民、あるいは関係者から短時間で理解と納得がえられないのは当然のことだと考えます。多くの反対運動が生まれたのは自明であり、県民世論の反対や不安などをそのままにして、県議会における強行は容認できないものです。
私たちは、県政と県民世論とのかい離をまのあたりにして、怒りを禁じ得ません。そして「関係者に今後も丁寧に説明をし、確実に実行していく」と県教育委員会は姿勢をしめしながら、9月議会には関係条例を提案することを明言し、実施計画の歩みを一切止めようとしません。
私たち「県立高校の削減を考える会」は、この間「10年前の10校削減の総括」を求め、安易な「人材育成」を目途とする「高校教育における特色化の問題」を指摘し、子どもたちの進路選択の現実からも、今回の「適正化計画」に反対してきました。そして今こそ人格の完成に資する高校教育として、普遍的な共通教養としての「普通科」こそ大切だと主張してきました。また今日の子どもたちの貧困化において公立高校の果たす役割は大きく、公立高校の削減は行わず、公立高校の収容率を現在の63.5%前後から70%に引き上げるべきと要望してきました。
同時に最大の問題となった、「適正化」に連動し、合理的な教育環境の整備として提案されたのは平城高校への奈良高校の移転でした。この計画は奈良高校の改築問題が内包しており、結局は奈良県政における「教育予算」の脆弱さを示すものであると考えます。また合理的措置がそれぞれの学校の歴史を破壊することがあってはならないものだと考えます。
一方、先日の大阪北部地震の中で、学校施設の耐震化問題のみならず、学校、地域ともに施設の再点検が喫緊の課題として表面化しました。その中で「奈良高校」の耐震化問題は、移転として3年間もの時間があり、子どもたちの安全の観点から問題があるとも考えます。
今回、「適正化計画」は県議会で可決となりましたが、「県立高校の削減を考える会」として、この適正化計画の中止にむけて、また県政のあるべき姿を求めて、奈良県民と連帯して反対運動を継続するものです。当面、平城高校生、保護者、関係者、地域への丁寧な説明を求めます。また名前がかわる高校関係者に対しても丁寧な説明を求めます。また早急な9月議会における関係条例提案をやめることを要望します。また高校教育のあるべき姿を求める立場として、今回の「適正化実施計画」を断念することを求めます。
「県立高校の削減を考える会」は今回の「適正化実施計画」に反対や疑問を持たれる県民の皆さんの立ち上がりと結集を呼びかけます。