「考える会」のメンバーの宮本次郎議員の代表質問についての感想です!
突然に今朝から2歳になる孫の世話をすることになり、楽しみにしていた奈良県議会の宮本次郎県議の代表質問の議会傍聴ができなかった。だが、奈良テレビが中継をしていたのでまるまるとテレビ視聴で傍聴。
私の専門の教育分野に限って感想を書きたい。
荒井知事は、奈良県の小・中学校のエアコン設置率の圧倒的低さに全く心を痛めていない。学校設置者の市町村自治体の問題であると決めつけている。奈良県周辺の府県のエアコン設置率の一覧をパネルにして宮本県議は示し、小・中学校のエアコン設置率100%を達成した東京都では積極的に都が財政支援をしてきたという宮本県議の指摘にも全く意に介せずという厚顔ぶりに驚いた。奈良県の責任が問われているのだ。
県立高校削減問題について、荒井知事はすべて吉田教育長に答えさせるというスタンスで、教育行政の独立性や尊重のポーズをとっているのだろうが、今回の新たな県立高校削減の狙いは公教育のリストラであり、それを主導しているのは荒井知事である。
吉田教育長はそもそも理路整然としゃべることが苦手な方だ。なぜ、平城高校が無くなるのかの説明は全然意味不明。
平城高校削減をごまかすために、他校が次々とわけのわからない特色化、専門化、校名変更をせまられるドミノ倒し。今日の吉田教育長の答弁を聞いて、今回の高校再編は高校の多様化路線にいっそう踏み込んでいることが明確になったと思ったが、あらためて旧態依然たる「古い」多様化路線にしがみついている姿が滑稽だった。
奈良県の教育行政の良心とは言わないが、公立高校の学校間格差を財政的にも根拠づける学校別の大胆な予算配分の差別まで打ち出していない。
この10年計画には、財政的な本気の裏づけもなく、絵に描いた餅として失敗するであろうけれど、県立高校削減、普通科削減は、子どもたちを確実に直撃する。
今後10年間の生徒数の減少は26教室分だと教育長は言った。だったら、26教室を維持するために県立高校の収容率を高める努力を本気で行えばいい。
県立高校の35人学級に踏み出す英断をすればいい。子育てと教育支援として、子どもたち、保護者から熱望される施策だ。
今回の新たな高校再編計画は、平成26年度から検討を始めたと教育長は言った。初耳だ。ならば、県教委が平成26年度から始めたその検討の資料をすべて公開すべきだ。
収容率の問題、通学圏の問題を検討したのか、中・高校の教員や保護者のアンケートを実施してきたのか。
専門学科の卒業生の進路先、離職率、転職率等の追跡調査はどうなのか。奈良県の産業界に「貢献」する「人材」育成の実績データは? 施策の根拠、前提を示すことを求めたい。
そして、何よりも、誰よりも、教育の主人公であり直接の当事者である子どもたちから意見を聞いているのか。今回の問題の焦点はここにあると思う。ここがないがしろにされている。
教育長も、教育の目的は教育基本法第1条に謳われているように「人格の完成」であるという認識を示した。ならば、あらためて憲法と子どもの権利条約を根本に据えて、「県立高校適正化実施計画案」の徹底審議を。拙速な強行を許さない!