昨年末に友人と鑑賞した「窓際のトットちゃん」、正直予告を観たときは独特のキャラデザに違和感を感じもしましたが、鬼太郎・ゴジラを観る中で同様の「戦争」を描く作品として見ておかないといけないんじゃないか・・という気持ちにかられ鑑賞しました。が、ほんと見て良かった!昨年見た中で一番好きな作品でしたニコニコキラキラ

 

 

 

私は、映画をみてだいぶ序盤の方で「ああ・・この作品をずっと見ていたい!」と感じるほど引き込まれ、終盤では涙が止まりませんでした。劇場内には子供も大人もいましたが、皆最後はすすり泣いていましたキラキラ

 

あこがれの詰め合わせ

私にとってこの作品は「あこがれの詰め合わせ」でした!

 

①イマジナリーシーン

この作品で特徴的なのは、ワクワク感が独自アニメーションで描かれることです。電車の教室の窓際に座った!ただそれだけでワクワクして、世界を超えて宇宙に飛び出すくらいの興奮なんです。プールに入った!ただそれだけのことが、魚になってプールにいることを忘れ1つの生命として悦びを感じてしまうほど瑞々しいことなんです。戦争中に歌が歌えずに、水たまりを踏む音で音を奏でる。彼らにとってそれは「ちゃぷちゃぷ」という音じゃないし、町中がカラフルに色づくような出来事なんです。このイマジナリーシーンの数々が、それぞれ違うテイストで作られているのも、たくさんの絵本を見ているような迫力で、大変魅力的です飛び出すハート

 

いやね、現代って滅茶苦茶忙しい。やれメールはくる、チャットも来る、なんなら電話も来ちゃう。最初はゲーム感覚で対応していたあれこれが毎日続くと、「心を失う」感覚です。文字通り「忙」だなあと思います。本当は「何をするか」だけじゃなくて「どう感じたか」も大事にしたい。だから、ほんの少しの日常に彩を見出すトットちゃんをみて、「こう生きたい」と強く感じましたニコニコキラキラ

 

②生を肯定してくれる大人たち

この作品の何がすごいって、「大人たち」のあたたかさだと思います。トットちゃんは話し好きで、話が止まらなくて大人たちを困らせていた。普通は「STOP!」で止めさせる。でも小林先生は違う。トットちゃんが「話したい事がなくなるほど」聞いてくれた。トットちゃんの「話したい」という感性を、そのまま受け止めた。忙しいから、とか時間がないから、と言わないんです。「人を人扱いしている」愛の行為そのものだなあと思い、衝撃を受けました。

それにヤスアキちゃんのお葬式の時もそうだった。時代的には日本万歳!で死を祝福するムードの中、タブーとされている死を悲しむ行為を尊重してくれた。その時代の教育者・大人としては大変勇気ある尊い行為だなあと感じ、そのありがたさに涙が出ました。

 

③放っておいてくれる大人たち

さらに印象的だったのは、ある種の「危険行為」を放っておいてくれること。ぼっとん便所に落とした財布をさがすため、肥溜めを掻き出し掻き分け…まあ現代なら大変な迷惑行為なんですが、「ちゃんと戻しとけよ」で、あとは気のゆくままやらせてくれる。

実は私にも似た経験があって・・・夏休み中に田舎で沼にハマったことがあったんです。沼って、ほんとびっくりするくらい足が抜けないんですよ滝汗で奮闘して、ようやく抜けた…のですが、勢いでサンダルが脱げてしまった。あっと気づいたときはもう遅くて、サンダルは沼の底に沈んで、姿形も見えないし、形跡さえない。どうしよう・・・と思った次の瞬間に待ってたのは、「何やってんの!」という親の怒鳴り声で、気づけば私の代わりに一生懸命にサンダルを探していたんです。その経験がなぜか物凄く恥ずかしくて記憶に残っている。それで、映画でぼっとん便所のシーンを見たときに、「ああ、あの時、放っておいてほしかったんだな」って気づいたんです。監視するでもなく、無視するでもなく、なんとか探してみなよって放っておいてほしかった。だから、このシーンでトットちゃんが私の代わりに、「気のすむまで探す」をやってくれたみたいに感じて、何十年越しに救われた気持ちがしたんです。ただ、放っておくって、「任せる」ってことだから、「なんかあったらどうしよう」って不安にもなるのもわかる。実際、木登りシーンは、「本当に危ないからやめなよ」って制止したくなりましたネガティブあせるでも子供たちって、そういう自由の中でこそ学んでいく。私自身も、通学往復路という「放っておかれた空間」の中で、友達・謎の画家・知らないおばあさん達とコミュニケーションをしたことが「冒険的」で記憶によく残っていますドンッ

 

映画を見終えて

①素直に生きる

私もトットちゃんみたいに「わあ!」とか「すごい!」とか素直に瑞々しくいきたいな~と強く感化されました。それが生きるってことじゃないの?って思う。ほんとね…瑞々しいって大事です。笑

 

②瑞々しい分人でいる時間を増やす

また、「ねえねえ聞いて!」と瑞々しさを受け止めてくれる家族や友人と過ごす時間を増やしたいなあとも感じます。

 

③放って任せる分人の時間も増やす

そして、仕事上では、「誰かに任せる」時間も増やしていきたい。自分でやりたい~やらねば~と思うことも多いのですが。。太平洋戦争中の連合艦隊司令長官である山本五十六の名言にもありますよね。

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、褒めてやらねば人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば人は育たず。
やっている姿を感謝で見守って、信頼せねば人は実らず」

現に「任される」と、各自創意工夫しますよね。今回の新人研修でも、2年目に1年目の教育を任せたところ、大変盛り上がったとのことでした。きっと任された2年目も「やりがい」になったと思うんです。「任せること」が「相手のため」だし「社会のためにもなる」という世界観をもとに、教育など進めていきたいなあと思います。

 

紙1枚

これからも折に触れて視聴したい、心震える名作でした!