毎年GW恒例のコナンを観てきました
映画の日でしたが、あいにくの天候のためか、意外と人はまばら
初見の感想は、「情報過多」
ファンを喜ばせるためもあると思いますが、登場人物が多い。謎を解いたそばから新しい謎が生まれる。説明が入る。北海道の各地も転々とする・・といったように「情報洪水」でした。「飽きない」でしょうが、実際疲れました。でも「おっ」と思うようなお宝もあったので、紙1枚にまとめました。
(通常通りネタバレ全開ですので回避願います)
その動機はどこから?
①宝探しの動機
今回のテーマは北海道に眠る宝探し。宝を狙う輩は多いものの、主犯の「良衛」の動機は「好きな人が宝(兵器)を壊せといったから」。息子の「聖」の動機は「父から受け継いだ願い。また、大好きな母を殺した兵器を壊すため」。つまり共通するのは「誰かから託された動機」であることです
②宝の真相
宝の正体は「暗号機」。戦時中は国内外のあらゆる軍事情報を傍受し解読し、まさに「情報が宝」だったわけですが、「情報あふれる現代」では「宝なんかじゃない」。暗号機を見たときの良衛の叫びは、心に残るものがありました。
「こんなもののために・・・」
北海道は「刀から銃へ・鎖国から開国へ」と時代を大きく変えた土地です。この土地柄もあいまって、「宝」は時代・人によって変わりうる曖昧なものだ・・というメッセージに捉えられました
③作中で描かれる宝
誰かかから託された動機をもとに見つけた宝は、宝ではなかった
この空虚感と対比するかのように、作中で描かれていた「宝」があります。それは「和葉」でした。良衛と聖・平次を比較すると、「自分にとって、宝なのか?」どうかが、結末を左右するターニングポイントになっていると感じます。
また、好きを説明するときに「こういう理由で好きだ」と合理的に説明されると「そうなんだ!」と納得した気になってしまう。でも本当に「好き」なことや「大事」なことは「説明なんかできない」ものの方が多いんじゃないかと思います。
「探偵は犯行の動機を見つけるものだ。自分は動機が説明できないが、お前が好きだ(超訳)」という言葉は、探偵にふさわしい口説き文句すぎてしびれました笑
時代を感じるテーマ
「自分にとっての宝を見つけよう」
このメッセージ、時代を感じるなあと思うんです。
①やりたいこと症候群
世の中では声高に「やりたいことやろう」と叫ばれて、「やりたいことがないとNG」みたいな、生きづらさが確実に蔓延していると思います。聖なんかは文字通り「いい人」だから、「お母さんのために」とかいって「やりたいこと」を作り出してますが、心の底から「やりたいこと」ではなかったので、最後の最後で本気の平次に負けちゃう。
②手ごたえ
結局やりたいことがなくても、自分として「筋が通ってる」手ごたえのある生き方なら、もうそれだけで十分「宝」なんじゃないかと思うんです。この辺りは過去記事ともつながりますが、幸福を求めるあまり過敏になりすぎてる感覚があります(自分自身も)。
自分の宝って?
今回の文脈に照らし合わせると、私にとって「説明できないけど大事なこと」って「文字でまとめる」ことなんですよね。でも自分1人じゃまとめられないから、紙1枚の力や、見てくれる誰かの力を借りてる。もちろん「良い文章ですね」って褒められたら嬉しいけど、どちらかというと、自分が「自分良いなあ」と思うために文章を書いている気がします。なんでかは説明できないけれど、長年大事にしている私の「宝」です。
最後に
なんだかんだ、今回も名作でした
去年は「顔認証・AI」を取り入れるなど、毎年その時代に合わせたキーワードを取り入れてメッセージを紡ぐ姿は本当にすごいです
「告白が聞こえない」とか「博士クイズ」とか「爆弾を仕掛けた先にヒロインが」とかはお決まりのパターンですが今回「飛行機の上で戦う」平次を見たときに、「観覧車の上で戦う」安室さんを思い出し「不安定な足場の上で戦う」もお決まりパターンに追加されたんだなあと笑ってしまいました。楽しかった!