国名:イギリス
発行年:1899年(明治32年)
発行枚数:30,743,000枚
銀品位:0.900
重さ:26.96g
メイ首相来日してますね。日英同盟はガッチリと固めておかなくてはなりません。さて、この夏最後の大手コインオークションでイギリス銀貨をゲットしました。貿易銀と呼ばれる昔の国際貿易には欠かせなかった流通貨で、結構メジャーな銀貨と言えます。
発行国はイギリス、造幣所はインドのボンベイ(現在のムンバイ)。そして主に香港を中心にアジアで流通した摩訶不思議なグローバルコインです。
デザインはイギリスを擬人化した女神"ブリタニア"立像が描かれています。Theイギリスを象徴するデザインですがよくよく見ると周りには中国の伝統的な文様の雷紋(らいもん)があしらわれており、裏面には漢字で壹圓と書かれているなどイギリス文化と中国文化が融合したコインになっています。眺めれば眺めるほど摩訶不思議なデザインと感じます。
特に好きなのがこの雷紋。ラーメンのどんぶりでもおなじみのこの文様に囲まれた女神ブリタニアって構図が歴史を感じ、気に入っています。
このコインは香港がイギリスの物になった事がきっかけで誕生しました。大英帝国と清王朝がドンパチしたあの有名なアヘン戦争です。
この戦争の結果、イギリスがボロ勝ちし香港を分捕りました。その香港を利用してアジア貿易を行う中で世界共通通貨である銀貨が大々的に発行されたのです。
当時、我が国の幕府はアヘン戦争であの大清帝国がボロ負けした事に驚愕しました。イギリスヤベー、イギリスコエーって感じで鎖国を一層強めます。なんせアヘンでヘロヘロにされた上にイチャモンつけられて戦争吹っかけられ、ボコボコにされた挙句、領土と多額の賠償金を分捕られるんですから。白人鬼畜過ぎって話です。そんな常識の中、目の前に黒船が現れた日にはそりゃ幕府も腰を抜かすでしょう。幕府はペリーの言うままに押し切られます。白人そして黒船に対しておいそれと反撃などできませんでした。幕府は後に孝明天皇からひどくお叱りを受けます。鎖国の禁を破った幕府は天皇から怒られて右往左往しながらとんでもない事をやらかし続け、怒った幕末の志士達が遂に大政奉還させたのです。この辺りの歴史は実に面白いです。
そしてこの辺りのアンティークコインも大変面白い。
中国共産党の物になってしまい魔窟と化した現在の香港。最近一国二制度の約束が破棄されかけていて完全に中国共産党の物になろうとしている香港は一体これからどうなってしまうのでしょうか。