「成年後見制度には法定後見と任意後見があります。」
具体的な違いは調べればと色々と説明されていますが、あまり認識されていないように感じること、
法定後見と任意後見は根幹が違う
そうです。
私、
確かに法定後見と任意後見は全然違うけれど、
家裁に管理されるヒドイ制度には違いない。
だからどうした?
と思っていました。
そんなことはわかっているが任意後見には監督人が付き報酬も発生するのだから、後見制度には違いないであろう。
だからどうした?
と言われそうです、、、
上手く説明する自信がありません。
でも全く違うはずで、、
それは大きなことのはずなので、、、
法定後見と任意後見の根幹の違い
法定後見は、本人の能力を否定して代理人を選任する、本人保護が目的の司法措置。
任意後見は、本人が自分の利益のために他人と結ぶ委任契約の一形態。
なのだそうです。
法定後見の審判が下った人は「被後見人」
任意後見契約が発効した人は「任意後見契約の本人」
という立場が正しいのかもしれません。
法定後見が開始されると,選任された成年後見人は,制限はあるものの、法律により本人の行為ほとんど全てを代理することができるようになります。
代理できない事としては以下となるでしょうか。
・医療行為への同意
・身元保証人、身元引受人、入院保証人等への就任
・本人の住居を定めること
・婚姻、離婚、養子縁組・離縁、認知等の代理
・遺言
・自宅の売却に関しては家庭裁判所の許可が必要
また、被後見人が行った法律行為を不利益なものだと判断すれば、取り消すことが出来る取消権も与えられます。
取消権!
何だか便利そうですが、これは被後見人の能力を否定しているからこその権利なのでしょう。
一方、任意後見が開始されると、任意後見人は本人との契約の範囲内の代理を行うようになります。
これは、あくまでも委任契約であり、任意後見人の就任は任意後見契約の発効に過ぎず「任意後見契約の本人」の能力は法的に否定はされていないので、取消権はありません。
法定後見の被後見人、被保佐人、被補助人と違って
「任意後見契約の本人」は法的にいかなる法律行為においても制限を受けないはずです。
「任意後見契約の本人」は法律上、契約の相手方が認めればご本人が契約を行う事も出来るはずです。
後見制度
物事を判断する能力が十分でない方について、その方の権利を守る援助者(成年後見人等)を選ぶことで、法律的に支援する制度
だそうです。
必要な制度なのかもしれません。
でも、絶対に守って支援してもらえる保証はないようです。
物事を判断する能力が十分でない方について、その方の権利を代理する人(成年後見人等)が選ばれることで、法的に権利を失う制度
ともなり得るわけで、、、
2025年
「5人に1人が75歳以上という、超・超高齢化社会に突入」
だそうです。
「認知症患者数は700万人前後に達し、65歳以上の高齢者の約5人に1人を占める見込み」
だそうです。
人ごとではなく大変です。
2018年
家裁が法定後見の申立てに対し、親族を後見人として選んだのは23%だそうです。
やめる事も、選ぶ事も、変える事も難しい制度。
たまたま選ばれた本人を知らない人間の「正しさ」にお金を払いながら人生を終えることになるかもしれないわけで。
「正しさ」って実は怖い。
強い「正しさ」ほど人を追い込むことがある。
実感しました。
欧州の後見が本人の権利を守るため、必要な支援のみを必要な時のみおこなう「小さな後見」を目指す中、日本では後見人に医療同意の権限を与えることも議論されているようです。
法定後見が物事を判断する能力が十分でない人を、不都合な人として、社会や司法や個人の都合良く動かすための制度とならなければ良いのですが、、、
後見制度は誰もが利用する制度ではありません。
けれど、
もしもの将来に向けて、
信頼する人がいるのであれば、
お願いしたいことがあるのであれば、
法的に人として否定されないよう、
現行の法定後見を使わずにすむ砦として、
任意後見という委任契約を考えても良いかもしれません。
意思や自己決定権の尊重、ノーマ ライゼーションといった理念が掲げられても、
選挙権が認められても、
欠格条項がなくなっても、
本人を否定できる制度であることに変わりはないのが「後見制度」だと感じています。
実際、
根幹は違うものの、
残念ながら任意後見も後見制度に違いないので発効しない方がいい。
に続く、、、