1.ごあいさつ
こんにちは。えうれかです。
地元に帰ってきてからの第一回目の記事はキーボードのレビューです。
事の発端は約一週間前。オンライン大会で一緒だった配信者の方のオープンマッチに参加していたところ、右FXをアサインしてある十字キーの右が無反応を連発しました。
親指や薬指で押すキーは負担がかかりすぎて怪しい時があったりしたのでいつか買い替えようかなとは思っていましたが、ついにその時がやってきたのです。
元々私が使っていたのは
Razer BlackWidow Ultimate 2016Edition
という緑軸のキーボードです。友人からもらいました。
クリッキーに憧れていたこともあり、最初こそ楽しく使っていたものの、だんだんスイッチの音が鬱陶しく感じることが多く、もともとメカメンブレン愛用者だったこともありリニア系のキースイッチのものを購入することにしました。
で、金欠の私がどういうキーボードを買おうかなとAmazonを物色していたところ「e元素」という変なメーカーを見つけました。面白そうだし、しかもこの価格帯でついてていいのか？というある機能が備わっていたため購入を決めました。
・もともと使っていたキーボードはこれ。貰った時から4年ほど使い倒した後だったので寿命はそこそこ来ていた模様。ありがとう、Razerと譲ってくれた友人。
2.実物とスペック
さて、今回購入したのは
e元素(E-YOOSO) Z-88
というメカニカルキーボードのフルキーボード版です。メーカー名の元素は「げんそ」ではなく「ようそ」らしいです。簡体字の読み方ってことですかね？中国語は読めないのでわかりません。
配列はUS配列、キースイッチは赤軸、価格は衝撃の5999円。念のためもう一度言いますがメカニカルのフルキーボードです。しかも大量の同時押しを行う音ゲーマーや、入力の正確さを求めるFPSプレイヤーの心配をあざ笑うように当然の如く104キー全てにアンチゴースト機能とキーロールオーバーが搭載されています。ヤバ過ぎ。こんなに安くていいのかよ。
参考程度に、もともと使っていたキーボードの値段を調べて見たところ、Yahooショッピングで12000～16000円ほどでした(以降のモデルも大体同じくらい)。半額以下です。マクロ機能がついていたりRazerのソフトウェアの恩恵を受けられる点は強みではありますが、全ゲーマーの敵Windowsキーを無効化する設定にしなければ6キーロールオーバー、ゲームモードにしてWinキーを無効化しても10キーロールオーバーまでしか対応できません。私のキーコンフィグだと基本的にWinキーに指が触れることはなく、配信中にWinキーを押してアクティブウィンドウを切り替えたい時が多いのでこのゲームモードにしないとキーロールオーバーが有効にならないというは仕様はかなり不便でした(現行モデルでは変わってるかも)。
一方今回購入したキーボードはマクロ機能やソフトウェアで発光パターンを変えたりはできませんが、キーボード自体にに発光パターンを変える機能が備わっており、色や光り方も豊富です。さらにWinキーをロックする機能は当然のように用意されています。シンプルに文字を書いたりプログラミングをしたり音ゲーに使う分には全く問題なく使用できます。マクロ組んでMMOでスキル回しとかする人はアレだけども。
買い物のついでに静音化したかったのでまとめて静音リングも買いました。キーキャップの軸受けにつけるやつです。よく同じ部屋にいる妹や、隣の居間でテレビを見ている親からたまに苦情が来るので買ってみました。
買ってから分かったことですが、私が使っていたRazerのキーキャップと軸はCherryMXと互換性がないのか相互のキーキャップを交換してみてもうまくはまらず、さらに静音リングもはまりませんでした。Razerのキーボードを使っていて静音リングを付けたい方は純正品を買うとか、キーキャップを事前に確認しておくということが必要そうです。今回買ったe元素のキーボードは問題なく静音リングがはまりましたのでご安心ください。
以下に購入品のリンク貼っておきます。
・カラーバリエーションは白と黒、キースイッチは赤、青、茶から選べます。
・キーキャップの軸受けに着けるゴム製のリングです。500個もいらないけどPrime商品がこれくらいしかなかった。
実際の見た目は以下の画像のような感じです。
机が古い上に、昔兄弟が学習机として使用していたのでガラスの下の鉛筆汚れがすごいですが気にしないでください。
・外観はこんな感じ。光ってないと美しさ半減。金属のプレートの質感が思った以上にいい感じです。十字キーの上にはe元素の鷹マークがついています。
・バックライトをつけるとこんな感じ。虹色と普段使いの水色の写真ですがとても綺麗です。
・フロートタイプなので横から見るとキースイッチが丸見え。なんかえっちい。横から漏れる光も非常に美しいです。
このキーボードの凄いところは何個かあるんですがそのうち一つがバックライト。
白を基調としたボディに七色のバックライトが輝きます。開封したときのバックライトがついていなかった時は色がくすんで見えたというかパッとしない印象でしたが電源を入れると評価は一変。ビカビカしたまぶしさとは程遠い優しく美しいバックライトが輝きます。ゲーミングデバイスらしく虹色にもできますが、単色に光らせることもでき、私は水色で常時点灯させています。
・裏面。ゴム足が4隅についているうえ角度調整スタンドの先にもゴムがついています。
ロゴやシールはなんというか中国製品っぽさが出ていますが、まぁ前からは見えないのでいいでしょう。特筆すべきはケーブル。ケーブルは見た目こそ安っぽいものの、取り外しが可能になっています。端子はMicroUSBのタイプBで一昔前ですが、まだまだ現役の規格ですしケーブルが断線しても簡単に替えを調達できるでしょう。最初に使っていたメカメンブレンは断線でお亡くなりになってしまったので、付け替え可能なものをチョイスしました。
また、ケーブルは左右についている溝を使うことで左右からもケーブルを出すことができます。机の位置などによって好きな方向に変えられるのはとても便利です。
高さ調整スタンドは出すか出さないかで好きな高さに可変できるものではありませんが、私はもともとスタンドを使わないので関係ありません。ガラスに四隅のゴム足が当たることによって圧倒的な摩擦力を発揮してキーボードがゲーム中でも全くズレません。これが新しい机を買わない一番の理由です。ガラスデスク最高。
・キースイッチ。CherryMX互換のOutemu製赤軸が搭載されています。防塵用の枠付き。
キースイッチは価格を抑えるためのCherryMX互換軸です。今回はリニア系がよかったので赤軸にしました。メーカーは中国のOutemu(おーたむ)のものです。おーてむじゃないよ
互換軸のメーカーとしては結構有名で、中華互換軸メーカーで名前がよく上がるKaiｌhやGateronなどと肩を並べる知名度があります。日本唯一の自作キーボードショップ、遊舎工房でも取り扱いがあるほどです。
後述しますが簡単に交換できる上にCherryMX互換やオリジナルも普通に取り付けができるらしいです。
3.使用感
前提として、PCに接続する前にすべてのキーに静音リングを噛ませているので外した際の打鍵感はわかりません。中華キーボードは底打ち時に金属音のような甲高い音が鳴る個体が多いらしく、クリッキーの打鍵音が合わなかったこともあり最初からつけて使ってみました。
<タイピング時>
スイッチが半分程度押された辺りで入力が始まります。クリッキーはしっかりと押し込まないと反応しない感じがあるので新鮮な感触です。これはリニアの特徴でしょう。
キーピッチは狭めで、指が太めの人は慣れるまで誤爆がそれなりに多い気がします。
互換軸ということで少し身構えましたが押し心地は良好。程よい重さと、静音リングによる底打ち時のクッション感も合わさりスコスコと気持ちよく文字を打つことができます。値段を考えれば十分以上に使いやすいと思います。最近の中華製品のクオリティはすごい。
USキーボードなのでSpaceキーは通常のキーの6倍の大きさになっています。英語入力では単語ごとに空白を入れるので押しやすいようにこういう形になっています。実際に右でも左でも押しやすく好印象です。BackSpaceキーも日本語配列の2倍ほどの大きさがあり手元を見なくても押しやすい印象を受けます。
逆に、Returnキー（Enterキー）は縦幅が大きく削られているため小指で押すことを要求されます。目視でEnterキーを押していた人はそれなりに違和感があるかと思います。代わりに横に長いので、慣れてしまえばホームポジションから移動することなくReturnキーを押すことができるようになると思います。
<ゲーム時>
DJMAX・EZ2ON・MUSYNXの三種類の音ゲーで遊んでみました。長いSpaceキーのプレイフィールは少し心配でしたが、長さがある分中空になっているので若干うるさい以外は特に問題ありませんでした。スタビライザー側にも静音リングは付けたほうがいいですね。テンキーを使ってプレイしても違和感はありません。前使っていたキーボードと同じく傾斜がついているキーキャップなのですんなり移行できました。
唯一困ったのはパームレストがないので手首を置く場所を少し考え直さないといけないことで、今までと同じ置き方だと高さが足りず親指がSpaceに当たって左FXを誤爆することがありました。これに関してはパームレストを用意してもいいんですが、せっかくのコンパクトさが台無しになってしまう気がしたので自分が合わせることにしました。
赤軸でプレイするのは初めてでしたが、引っ掛かりなく底打ちできて心地よい打鍵感でした。静音リングを付けているとはいえさすがに強く打鍵すると音はなりますが、ヘッドホンをしていれば大して気にならないです。底打ちが部屋中に響き渡ったり壁を貫通して居間に打鍵音が聞こえたりということもなさそうです。
音楽ゲームをキーボードで遊ぶときは大体の人が底打ちすると思います。クリッキーやタクタイル系はそこに引っ掛かりのようなものが生まれる気がしてなんとなく違和感がありましたが、リニア系の軸ではスムーズにそこまでキーが沈んでくれるため底打ち＝素の叩いた感触と打鍵音のみが指や耳に届くのでスコアを出しやすくなったり打鍵音をよりしっかり聞き取ることができる感じがします。銀軸や赤軸、黒軸を好む人が多いのはこの感触にあるような気がします。
・買った日に出した各ゲームのリザルト。めっちゃ調子よくて草。
総じてクリッキーよりリニアのほうが自分には合っていて満足です。騒音的なストレスが激減したので楽しくタイピングできそうな感じがします。
4.ホットスワップ
このキーボードの最も面白い機能として、キースイッチのホットスワップ機能が搭載されています。これはキースイッチがはんだ付けなしで基盤に接続できる方式です。付属のキープラーでキースイッチを引き抜いて新しいスイッチや違うスイッチに交換することができます。交換用のスイッチはOutemu製のものがAmazonで普通に販売されています。また、他のCherryMXの互換軸やCherryMX純正のスイッチにも交換できるようです。半年くらい使い込んだら今度銀軸に交換してみようかとも思っているのでその時は別途レビューをしたいと思っています。
なおこの機能は自作キーボード用の基板についていることはたまにありますが、既製品ではLogicoolのGPRO Xくらいしか搭載されていない結構珍しい機能です。
[2021/8/28 追記]
キースイッチをCherry MX純正の銀軸に交換しようとしたところ、プレートにハマりはするものの反応しませんでした。互換スイッチということでしたが端子の幅が微妙に違うのかもしれません。予備のスイッチや交換用のスイッチはOutemu製3舳スイッチが無難そうです。今度Gateronのスイッチも試してみます。
私が買った個体はＡキーの調子が悪かったので交換してみました。予備のキーが5個付属しているので突然の故障にも対応しやすいです。キープラーをスイッチの溝にあてがって引っこ抜くのですが、割と固いのでそれなりに力が要ります。引き抜いたら新しいスイッチの端子の向きを合わせてからぶっ刺します。これも地味に力が要ります。作業自体は簡単ですが、割かし疲れるので全キーを交換するのは骨が折れそう。故障したキーを変えたりゲームで頻繁に使うキーだけを別の軸に変えたいときなんかに非常に役立つことでしょう。
・軸を外してみた図。付属の金属製キープラーで外せます。NumLockキーは誤爆すると死ぬのでこのままでいい気がしてきた。
ちなみに付属するキーキャッププーラーは良かったんですが、静音リングに付属してきた黒いキャッププーラーを使ったらキーキャップに少し色がついてしまいました。しかも全然取れない。真っ白いキーボードなのになんかちょっとショックでした。まぁ長期間使っていれば汚れも出るでしょうし、だんだん目立たなくなっていくでしょう。
5.総評
キーの塗装やケーブルのチープさは多少気になりましたが、それ以外はおおむね満足というかお値段以上の使いやすさです。マクロ機能や任意キーのアサイン機能が欲しい方はこの最低限の機能を搭載したキーボードは向かないかもしれませんが、普通のキーボードとして使用する方や、複数同時押しが求められるゲームをプレイする方には非常におすすめです。
USキーボードは全角/半角キーがなくWindows側でショートカットキーを設定する必要がありますが、丸一日くらい使っていればアルファベットのキーの配置は大して変わらないので慣れていくと思います。記号系は各種括弧が隣り合わせで配置されているので慣れればこちらのほうが違和感なく使えるんじゃないかと思います。むしろホームポジションから手を動かさずにReturnキーが押せてとても効率的にタイピングできます。本記事は早速このキーボードを使って書いていますが数千文字タイピングしてもあまり疲れません。音的にも指的にも。
静音リングもお手軽な改造にしては効果は思った以上に高くて驚いています。ガチャガチャ鳴るキーボードは嫌いだけど、疲れにくくて押し心地のいいキーボードを探している方、赤軸+静音リングめっちゃいいですよ。おすすめします。
日本語配列から変えるのが嫌な方や職場のパソコンが日本語配列だから悩むなと思ったそこのあなた。実は日本語配列のモデルも存在します。
・レビュー動画などを見る感じ配列がおかしいこともなく普通に使えるようです。
残念ながらテンキーレスで色は黒のみ、キースイッチは茶と黒の二種類（白ボディ青軸もバリエーションにあったけどサンプルが英語配列だったので省きました）ですが、ホットスワップはちゃんとついているみたいです。
中華キーボードで評判がいいのは他にもあるので、日本語配列の安いメカニカルの赤軸を探す場合は別のメーカーも視野に入れてもいいかもしれませんね。面倒だけど赤軸大量に買って全部キーを変えるという超荒業もできなくないですけど。
6.おわりに
このようなレビューを書くのは初めてでしたがいかがだったでしょうか。
今後もPC周りの機材を購入したらレビューしてみようと思います。この他にも配信関連の話とか、家庭用音ゲーの話とかも書こうかなと思っています。アーケードはやらなくなった分こっちに注力していくというわけです。以前から少し変わったえうれかですが今後もよろしくお願いします。
では今回の記事はここまで。また次回の記事でお会いしましょう。
