縁起担ぎ | 写真家 武藤弘司のFACE ASIA

縁起担ぎ

日本に戻って
時間があれば、
ボクシング等のトレ―ニングに
専念します。
もちろん、
それだけではないですが。

次回の撮影旅で体調面と精神面で
ベストパフォ―マンスを
出すのと、

長期の撮影旅の縁起担ぎの
部分もあります。
この年齢で、写真家で、
日本でこれだけの苦しいトレ―ニングに
耐えてきたから、
海外で万一の事が起きても、
絶対に大丈夫であると
自分に言い聞かせるのです。

海外の方が死ぬリスクは高くなると
思うのですが、
死ぬ時は、心構えがない時に不意に
亡くなるケ―スがあるようです。

いつ死んでも大丈夫、
でも、ゴキブリのようにしぶとく
生き残ってやると
信じるようにします。

たとえ、
テロや事故や自然災害に
巻き込まれても、しぶとく生き残るぐらいの
信念や運が欲しいです。

海外の撮影では、
デジタルによって様々なものを
撮るのですが、

昔からのフィルムの習慣で、
人間は撮るようにします。

人の撮影は意外と対人競技の
スポーツと似ている所もありますので、
ボクシングは、
役に立ちます。

間合いや距離の詰め方、
撮影の仕方、
引き際の判断も大切です。

スナップは、
居合い抜きのように
撮ることもあります。

基本は、撮影したら、
相手に機嫌良く帰って貰うか、

または、自分の気配をなるべく消し、
相手に気付かれずに撮るか
だと思います。
相手が見て見ぬ振りをしてくれることもあります。

カメラは向ける
人によって、同じ人でも時間帯によって、
その人がどんな人とすれ違うかに
よってなど、
良い道具になることもあれば、

人を不愉快にさせてしまう悪い道具にも
なります。

その人のその時の精神状況もあります。

写真家は、
カメラの性能や質ばかりに囚われすぎると、
見失う所もあると思います。

約3ヶ月の撮影旅に出るのも、
焦らずに、心の余裕を持って、
現地の人の気持ちになって、
ゆっくりと現地に溶け込みながら
旅と撮影もします。
もちろん、現地人と外国人の壁は、
言語、国境等で完全には撤去できませんが、
要は、
気持ちの問題や、
写真家の撮影スタイルだと
思います。

短期集中で良い写真を撮る方も
たくさんいます。

現代は、
なかなかお金と時間を作るのが難しくなっていますが、
時代に逆流する
なるべく自分の撮影スタイルを
貫きたいものです