また一から | 写真家 武藤弘司のFACE ASIA

また一から

長期の撮影旅の後は、
いったんリセットした感じになります。

撮影旅に出ていた分の、
戻った後の3ヶ月は、
いろんな面でけっこう厳しいのですが、
早めに体勢を整えられるように
努めます。

ボクシングの練習もサイクルの一つ。
また、一からジャブから練習です。
10年以上続けていますので、
身体が馴染む所もあります。

全盛期と同じ動きをしてみて、
できない事もあり、
フィジカル面を把握します。
反骨精神、ハングリ―精神に近いものも
学べます。
辛い状態でサンドバックを
叩き続けていると、
もうこれ以上どん底は
ないなと感じたりもします。
もう失うものはないし、
這い上がるのみなんですね。

ここから、
生活のリズムも取り戻します。

旅と写真とボクシングは、
何とか10年以上続けています。
もうこの年齢になると、
好きなことで最後まで成し遂げるのが理想です。

インド、パキスタン等のアジア諸国を
放浪、撮影した人生観は
あるかもしれません。

人生なんてあっという間です。

運良く10年を9回続けられる人が
いれば大往生でしょう。

写真家としての仕事は、
まだまだやり残していることがたくさん。

こればかりは、焦っても良い仕事ができるとは限らないし、
まあ、根気よく頑張ります。

零は零のままです。

まずは、自分の足で一を踏み出せば、
ゴ―ルに少しは近づきます。

今回の撮影旅も多少のリスクはあっても、
定期的に新しい旅ができた、
新しい写真を残せた、記録できたという
面では、
どこかで生きてくるはず。

信じるのみです。