
2021/11/18~12/12本戦開催、賞金総額$75,000のビッグタイトル。
「AoE4発売後間もないこの時期にAoE2!?まだ息してんの!?」
って方の為の1vs1アラビア世界最強決定戦"King of the Desert 4"予備知識枠。
今こそ始めたい、それがAoE2。
以降、King of the DesertをKotDと呼称します。
【0】おことわり
KotD各大会の詳細情報は以下サイト(英語)から。
"最近AoE4やってるけど、ここ数年のAoE2のことは全然しらんのだわ"
"むしろAoE2やったことないんだわ"
って人向けに用意した記事ですが、わりとAoE2専門用語が飛び交います。
出来る限り文明の解説は入れますが、詳細は省くのでご容赦を。
文明詳細は手前味噌ながら僕の個人サイトにて。
KotD1(2017/12)に限り、当時僕がAoE2をプレイしていなかった都合で割愛致します。
【1】KotDの魅力
AoE2界隈でアラビアと聞けば、
最もポピュラーなマップとして返答が返ってくることは想像に難くありません。
かつては2002年に日本最強のHalen選手が優勝した大会World Cyber Games 2002(WCG2002)も、
1vs1アラビアでした、ちなみに使用文明はフンでした。
家を全く必要としない+弓騎兵が安くて強い時代でした。
日本人にとってもアラビアでナンバーワンを決めることはごく自然なことであり、
近年国内で開催された各種大会等も専らアラビアが戦場となりました。
そんなアラビアマップの1vs1世界最強を決めるという大会がKotDなのです。
ここに興味を注がないでどこに興味を注ぐのかという話です。
Halen選手の世界一から長い時を経て、当時18文明だったAoE2(AoC)も今や39文明。
KotDも4回実施の間に4年の歳月が経過し、文明の追加だけでなく、
バランス調整も数多く行われ、その度に戦い方が変わってきています。
つまり、各KotD大会を語るということは、
当時のAoE2トレンド、トップ選手の移り変わりをそのまま話すことに等しいのです。
「AoE2界隈のこと良く知らねんだわ」「世界とか興味ねんだわ」って人も、
サッカーで言えばワールドカップくらいは一応抑えておこうみたいなノリで全然結構です。
「AoE2って海もあるよね?」「アラビアって海ないよね?」「海のトレンドは?」って人、
君のような勘のいいガキは嫌いだよ
【2】KotD2(2019/02)
(1)概要
KotD2は所謂Voobly版と呼ばれる、有志でAoE2を遊びやすくしたパッチの元で行われました。
Vooblyはそれ自体はゲームではなくロビーシステムのようなもので、
レート管理に加えて起動時の安定性確保など様々な面でプレイヤーにメリットをもたらしました。
「Steamで出ていたあのAoE2本体と違うんかい」と思われるでしょうが、
広義の意味ではSteam版AoE2(2013)に3つの拡張版が加わった内容と思ってもらってOKです。
なお、KotD2では全31文明が使用可能でした。

参加者は全32名、日本人ではchart選手(@paladinde11)が唯一参加されました。
なお、当時のVoobly1vs1レートランキング及び直近の大会実績に基づいて、
参加希望者の中から上位32名が選ばれた流れになっております。
つまり、参加するだけでも超スゲェってことです。
しかし、初戦で中国No.2のVivi(最終的にKotD2で4位)と当たり、スコア1-3で敗退となりました。
いや、1本取っただけでもめちゃくちゃスゴイとだけ言わせて頂きます。
1回戦(32名→16名)から通常のシングルエリミネーション(負け即敗退)形式でしたが、
1回戦~3回戦の間は一度使用した文明を再度使用不可能というルールが設けられていました。
最後まで勝ち上がる為に1回戦で強文明を温存するなどという駆け引きが期待されましたが、
わりと文明の強弱がそのまま勝敗に影響するという見方が強かったようで、
ほとんどのプレイヤーが1回戦から強文明を選択していたように見えました。
さて、この大会直前に実施されたバランス調整(Patch 5.8)で特筆すべき点は、
- 見張り台の建造コストが木25 石125から木50 石125
- クメールが重石弓へアップグレード可能
- アランバイ(ビルマのユニーク兵)の生産コストが木50 金60から木80 金60
- カランビットウォリア(マレーのユニーク兵)の生産コストが食料25 金10から食料30 金15
- ベトナムの射手に対するHP増加ボーナスが領主の時代から+20%増加するように変更
- インドのらくだ騎兵に対する防御力(近接/射程)増加ボーナスが+1/+1から+0/+1
といったところです。(他微調整多数)
特に"1.見張り台の建造コストが増加"が一般プレイヤー含めて話題となり、
それまでは所謂塔ラッシュ(TR)をどう是正するかがよく議論の対象とされていました。
大会においても、上級者勢がどう扱ってくるかが見ものとなりました。
結果として、それまでにあった3本、4本と塔を絡める大げさなTRは身を潜める格好となりました。
と言いつつも、このKotD専用アラビアの仕様でイノシシ(食料340)がアフリカ動物(食料400)に
置き換わるという内容があるおかげで、序盤の食料増加を駆使した軍兵ラッシュが主流に。
それに追随して塔を1本ないしは2本添えるようなラッシュを選択するプレイヤーもそれなりにいました。
(2)KotD2のトレンド
というわけで、軍兵ラッシュを軸にメタが回るような流れになり、
軍兵ラッシュに長けたアステカが最も人気のある文明に。
- 「軍事ユニットの生産速度+15%」「町の人の運搬量+5」「最初から所持している金+50」
などを駆使して序盤から優位な状況を作りやすかった。
また、先手をしのぎつつ中盤以降の爆発力に期待が持てる中国、スラヴ、フランクが台頭した格好に。
- 中国:最初の町の人が多い代わりに進化が失敗しやすい、がKotD仕様で失敗率が激減。
- スラヴ:「畑の収穫速度+15%」「包囲兵器の生産コスト-15%」で城主中盤から超強力に。
- フランク:「馬系のHP+20%」「果実の収穫速度+25%」で全文明随一の斥候使いに。
1回戦~3回戦の上位文明はこんな感じです。
数値にはそこまで注目せず、並んでいる文明だけをただ見て頂ければ幸いです。
11位以下の文明はどうなんじゃいということで、
1回戦~3回戦、及び準決勝で選択(BAN)された文明の使用回数を分かりにくい一覧にまとめました。
"R1-R3"の数値は1回戦~3回戦の全試合における合計の使用回数、
"SF1,SF2"は準決勝1組目(2組目)でお互い(青、橙)がどの文明を何番目に選択(BAN)したか表しています。
コレを見て「軍兵が主流ならゴートがなぜ使われないんだ!」と思った往年のAoE2ファンの方、
実に鋭いです。
当時のゴートは序盤から資源が増えるような内政ボーナスもないし、
頼みの軍兵も領主の時代に進化しなければコストが安くならなかったのです。
よって、軍兵で先手を取る以前の段階では実は最弱クラスの文明だったのです…。
一応、後のパッチでそれなりに強化されました。
「バイキングも陸戦最弱だろ!なんなんだコレは!」と思ったこれまた往年のAoE2ファンの方、
"手押し車、荷車の研究が自動"というだけでこの文明には大きな価値があったのです。
この効果が強く働くのは領主中盤以降なので先手にやや難ありですが、
城主の時代では他の追随を許さない強力な内政地を築くことが可能なのです。
それを利用したゲームメイキング、というかほぼパワープレイに近い感覚で勝てたりします。
陸戦最弱の所以は主に帝王軍のことを指しますが、
1vs1では金を必要とする騎士が最後まで出続けるわけではないので、
騎士対策を苦手とするバイキングも言うほど困らないという話です。
前述した一線級の文明には1歩劣るところがありましたが、
逆に他の文明はバイキングに地力で劣っているという見方にもなります。
嗚呼恐ろしい、手押し車荷車自動。
(3)KotD2大会結果

"AoE2界史上最強"の名に偽りなし、TheViperが貫禄勝ち。
2位のLiereyyは当時弱冠16歳、にも関わらずKotD1,2と連続準優勝、次世代の星確実。
以下、Mr_Yoを始めとした中国勢が4人もベスト8以上と層の厚さを見せつけた格好。
後の話になるが、ここでベスト16止まりだったHeraが頭角を表すのは1年後の話。
HeraのAoE2競技キャリアがこの時点でまだ2年目程度だったことを考えると十分すぎる話、かもしれない。
【3】KotD3(2020/10)
(1)概要
KotD3以前の2019年11月15日、AoE2のフルリメイクとなるDefinitive Editionが登場しました。

旧版のDLCを含めた内容を全て引っさげながら、さらに4文明の追加、
UI、操作感も改良した作品となっています。
が、発売当時はバグだらけ強制終了だらけで正直酷い有様でした。
修正パッチを出したつもりが新たなエラーに悩まされ、いつまでも何かしら欠陥が残っていました。
KotD3大会期間中に(バランス調整を伴わない)修正パッチが当たりましたが、
まだ過去パッチ版の方が安定していたくらいで、決勝戦はパッチをダウングレードして行う始末でした。
と、前置きはこの辺で。
今回の大会参加者は全64名、前回の倍です。
前回と同じく、1vs1レートランキングと直近の大会実績を元に順位付けが成されました。
ちなみに、レートはDE版で実装されたゲーム内の1vs1ランクマッチレートを採用しています。
そして賞金総額は$15,800(前回)から$50,000に大幅アップ。
当時としては一気にAoE2の競技価値が高まったと印象づける内容でした。
各マッチの文明ルールについては試合数(Best of N match)に応じた"1Ban NPick"を採用。
前回と比較すると至ってシンプルであり、事前に練習してきた本命文明等を
最後まで確実に使い切れるという印象です。
日本からはchart選手(@paladinde11)とkomtan選手(@komruke)が参戦。
それぞれシード順46位、64位となり、トーナメント表的には格下側のマッチングと厳しい状況でした。
とりわけ、komtan選手は初戦の相手が前回優勝世界最強天下無双TheViperという事態に…!
いや、こんな大きな大会で世界最強と対峙できるということはマジのマジでスゴいこと。
DE版が発売されて過去の強豪プレイヤーも戻ってきたりして超大賑わい状態だった当時、
大会参加にこぎつけるだけでも大変だったということは口を酸っぱくして言わせて頂きたい。
「初戦から世界最強ww残念ww」などと嘲笑う人は一考して欲しい、
この世界最強と大会で相まみえたという経験がどれほどの財産になるか。
「オレオレ、高校野球時代にあの松坂と対戦したことあるぜ」などと語るような人は、
このkomtan選手がホントにヤベェ話を持ち帰ることができたと実感してもらいたいところです。
(2)バランス調整多すぎワロタ
DE版が発売されてから発売時点も含め、KotD3までになんと8回もバランス調整がかかりました。
最初はほぼ月1ペースで調整が入り、中には一気に最上位まで押し上げられた文明も出ました。
前回KotD2から見れば目まぐるしく変わったと思うトコロですが、要点だけ列挙していきます。
(防御力の表記は[近接/射程]を意味します)
- "門"、"柵の門"の防御力が建造中に限り0/0
- クメール:畑を収穫する人が食料を格納せずに直接資源値に加算されるようになった
- ゴート:"機織りが無料"、"暗黒の時代から歩兵のコスト削減"
- モンゴル:狩りをする人の作業速度が50%から40%に減少
- チュートン:畑の建造コストが木40から木36に減少
- アステカ:軍事ユニットの生産速度+15%が+10%に減少
- スラヴ:畑を収穫する人の作業速度+15%が+10%に減少
全部まとめていたらキリがないので、とりあえずこんなところで。
基本的に上位人気だった文明は何かしら弱体化が、下位人気な文明には強化が施されています。
さて、まずは項目1"門、柵の門の防御力が建造中に限り0/0"の影響から。
所謂門ガードという防衛術があるわけですが、上級プレイヤーほどこれをとっさに組み込んできます。
建てかけでも強固な建物であることと変わりなく、即座に1×4マスをカバーできるとあって、
自陣に軍隊を置かずとも、敵が突破しそうな箇所をとっさに守ることができてしまっていました。
上記画像は前回KotD2の絵ですが、これが今回KotD3だとこの斥候で門は最悪壊されます。
従って、序盤から積極的に攻めることは前回以上に非常に有効手となり、
守って内政を温めてから後から逆転したいという作戦には相当のリスクが伴うことになりました。
前回の時点で軍兵ラッシュが主流と言いましたが、
実際、柵で進入を防がれ、突破を試みようにも、
柵の後ろから門を縦置きされるとどうしようもなかったというシーンが多々ありました。
射程ユニットでも領主では射程5止まりなので、これでは門を建造している人に攻撃が届きません。
こういった場面も、KotD3では建てかけの門を直接狙撃して破壊することが可能となりました。
ただ、代用として市場(木175, 4×4マス)を利用するケースもあったりして、
囲って守る作戦が全く通用しなくなったというわけではありません。
門によるとっさの防衛がしにくくなったということについては、
領主序盤の攻防もさることながら、城主序盤の進化時間差にも大きく影響が出たように思います。
即ち、城主進化が出遅れようものなら、柵による防衛はもはやあってないようなものだということです。
というわけで、城主進化が容易=城主進化用のコスト(食料800 金200)を貯めやすく、
かつ領主序盤から戦いやすい文明が重宝されることとなりました。
前回から評価が下がったのはまずはスラヴです。
畑の効率が落ちたことも原因ですが、後述のトレンドの変化により、
石弓を主流にしづらいスラヴ(+同様の他文明)は前回ほど活躍の機会を作りづらくなりました。
代わりに台頭してきたのはバイキングです。
騎士系はむしろ最弱の部類ですが、石弓に特化した動きを上級勢が洗練した結果、
最高評価に近いプレイングが可能になったと見受けます。
多くの上位文明が下方修正を食らった中で、バイキングはほぼ無傷だったのも大きいです。
他、クメールやゴートのように、分かりやすく底上げされた文明が日の目を見ることになりました。
もっとも、両文明とも修正内容が1vs1アラビアに適した内容だったという話であり、
他文明で上方修正されたものも数多くあります。
その内容が後述のトレンドにあまり合致しなかったというだけの話であり、
そこまで強くならなかったと評価するのは尚早かと思います。
(3)KotD3のトレンド
軸となったのは城主石弓です。
領主中に軍隊を貯めておくことができ、城主進化と同時に一気に攻勢に出られるので、
城主進化時間差を活かしたいなら利用価値は大いにあります。
そしてDE版になってから軍隊同士の衝突判定に変化がおきたことも起因しています。
具体的には、前回の仕様では足の速い騎士が石弓を追いかけて捕まえる際、
石弓の軍隊の中に潜り込ませるようにすり抜けることができ、
そこから攻撃を始めることで騎士の攻撃機会を飛躍的に増やすテクニックが重宝されていました。
このすり抜けができなくなった都合、同様の場面において、
騎士は外側から大きく回り込むように動かないと、逃げている石弓の後方しか攻撃機会を作れません。
つまるところ、石弓は逃げ延びる確率が大幅に上昇し、
戦場をコントロールする第一人者となったのです。
この対抗馬は当然騎士、と思いきや重装イーグルです。
騎士より足も遅く、1体あたりのスペックは騎士に劣りますが、
数で圧倒することで石弓を包み込むように捕捉し、確実に殲滅できるという寸法です。
イーグルが使えるのは南米文明(アステカ、マヤ、インカ)だけですが、
イーグルが使えるというだけで存在価値が強烈に高まっているという印象です。
騎士と違って聖職者の転向耐性もあるので、不利になった石弓をさらに追い詰めることが可能です。
まともに返せるユニットが剣士くらいしかなく、後出しの剣士は足の遅さから敗北必至です。
フランクや中国のような騎士周りのアップグレードが容易な文明は、まだ騎士の線が残ります。
フランクは相変わらず斥候による先手が強いですし、安価に城が建造出来る点も高評価です。
中国は安価なテクノロジーを駆使した引き出しの多さが魅力的で、
相手がどう出てこようと一定以上の力をもって対応できる点が素晴らしいです。
他には初参戦文明のリトアニアと底上げが強すぎたクメールが高評価扱いです。
- リトアニア:開始の食料+150。これだけで並文明は蹴落とされる。
- クメール:畑の強さでスラヴにとって代わるように上位文明入り。
弓、馬の準備に戦士育成所を必要としない、"町の人が家に避難できる"点も強い。
これらの定石をもって、たまに見るTRや暗黒民兵→即ユニークのような奇抜な戦術に
思わず唸ることもあります。
裏をかくからこそ、普通は勝ちが薄そうにみえる戦術もメタが回りすぎて
逆に通用してしまったなんてシーンを目撃した日にはもう酒が美味くてしょうがないです(おっさん)
文明ランキング的なものは上位16位までとりあえず雑に置いておきます。
うんちく含めた語りは私めがYouTube動画にて延々と語ってるのがございます。(10分39秒頃~)
(4)KotD3結果

Liereyy3度目の正直で見事戴冠。
3連覇を目指したTheViperがまさかの準々決勝敗退。
TheViperを倒したのは中国ナンバーワンのMr_Yo、驚きのスコア3-0。
準決勝でLiereyyに3-4で敗れはしたものの、ある意味優勝レベルの印象を残した結果。
ベスト16位以内の順位が色々動き回る中で、
確実に最上位クラスの成績を残し続けるLiereyy。
はっきり言ってTheViper時代じゃなければLiereyy時代と言っても過言ではないレベル。
そして日本からchart選手がベスト12入りの快挙!!!!
まずベスト16(グループステージ入り)を果たした下位シード組(33~64位)は唯一chart選手だけ。
グループステージの性質上、ベスト16とベスト12は連敗して敗退したかどうかの違いがあり、
chart選手はグループ内の格上選手にも見事勝ち切り、あわやベスト8まで覗かせた……!
ただ、そこに立ちはだかったのは奇しくもMr_Yoだったという話。
TheViperにも勝ったMr_Yoにもしここで勝っていたら、chart選手は世界最強だったまである。
勝負事にタラレバを言うのは厳禁だけど、近年の日本人のAoE2実績から考えると、
妄想ごとが止まらないくらいに夢を見させてくれたという結果です。
不肖私めがchart選手の凄さを語るなら、
持ち前の的確な操作量に加え、プランを突き通す実行力が秀でているかと。
ゲーム外においても、敗北ゲームから何か得ようと前を見据える姿勢が見て取れ、
時間さえあればどこまでも伸びてくれそうなゲーマー気質のように思います。
chart選手とて、前回初戦敗退という苦渋を味わったであろうにも関わらず、
今回這い上がって誰もが驚きを隠せない成績を残したこと、
そして当時のTwitch配信(海外)のコメントには見たこともない賞賛の嵐が巻き起こったことは、
同じ日本人AoE2プレイヤーとしてとてもとても嬉しかったことを覚えています。
【4】KotD4(2021/12)
(1)概要
前回KotD3から約1年の間に2度DLCが発売されました。

DLCが出ること自体はDE発売当初から言われていた(ような気がする)ことでしたが、
KotD視点で言えばこれだけの変化が起きたことは嬉しい悲鳴なのでしょうか。
とにもかくにも、総勢39文明がここに出揃ったということになります。
賞金総額は$75,000、1vs1大会としてはAoE2史上最高額。
(2021/11/23追記) Red Bull Wololo 5(2021/09)の方が$100,000と上でした、失礼しました。
参加人数も本戦(32名、うちシード16名)前に予選を実施し、
予選約256名から16名をたった2日で絞り込むという過酷な戦いが繰り広げられました。
(実況者、大会運営もだいぶ過酷なハズ…)
ちなみに予選日は10/30, 31。
そう、AoE4発売2日後にAoE2大会予選というAoEファン涙目の日程なのでした…。
そんな過酷な状況下に、今回もchart選手(@paladinde11)とkomtan選手(@komruke)が参戦。
「他の日本人選手はおらんのか」とツッコミたくなると思いますが、
傍から見て海外の大会に参加するというのは並大抵のメンタルではやっていけないかと。
とにかく時差がキツく、土日開催とは言え、ヨーロッパ基準で日曜の昼間に実施されても、
日本時間は深夜。勝ち進めば進むほどに時差というハンデが重くのしかかるところです。
はじめから日本人(アジア圏)に不利な戦いと分かっていながら飛び込む勇気、
少なくとも僕は彼らを称賛せずにはいられません。
(2)バランス調整
KotD3から計6回のバランス調整が入りました。
細かい変化が多く、1vs1アラビアにはそこまで影響はないと思う一方で、
際立って影響のありそうなのを列挙してみます。
- 基礎の柵(石壁)が持つ近接防御力が0に
- 柵の建造時間+1秒
- 暗黒の時代における柵、柵の門のHP-40%
- いわゆる畑サーチができないよう調整
- ケルト:"歩兵の移動速度+15%"が領主の時代以降に反映
- 朝鮮:"射手用の鎧系テクノロジー"が全て無料
- ポルトガル:"全てのテクノロジーの研究速度+30%"
- トルコ:"斥候系列の射程防御+1"
- フランク:"果実の採集速度+25%"が+15%に減少
- マヤ:"トラトアニ(ユニークテクノロジー:弓が建物に超ダメージを与える)"削除
- ブルゴーニュ:"全ての経済テクノロジーの食料コストが半額"
- インカ:"町の人が鉄工所の影響を受けるのが城主の時代以降に"
- 長剣剣士の近接防御+1
- 長剣剣士のアップグレードコストが食料200 金65から食料150 金65
- 「補給(剣士系列の食料コスト-15)」の研究コストが食料150 金100から食料75 金75
他にもこの3倍くらい修正箇所ありますが、一旦この辺で…。
文明の上下関係に大きく影響しそうなのはブルゴーニュとインカでしょうか。
特にインカはインカボクシングなるヘイト値の高い戦術があり、
上級者ですら頭を悩ます戦術でしたが、初心者殺しの観点からなのか是正されてしまいました。
柵に関する修正は日を追うごとに、
開発側から「囲ってぬくぬくするの禁止!」と言われているような気がしてなりません。
AoE4が出てから言えることになりますが、
AoE4は進入経路を塞ぐような戦術はやりづらい仕様のように感じるところがあり、
開発側もかねてからそのようなプレイングをAoE2でも踏襲したかったのかもしれません。
少なくともAoCと呼ばれていた過去作からすると、
"柵で閉じてハイ弓騎兵~"みたいなことは夢物語になるくらいには柵の劣化が続きます。
いや、柵の劣化というよりは、剣士系列の活用化と言ったほうが正しいかもしれません。
今回の内容だけ見ると、剣士は槍兵と同じく射手系列には弱い扱いだけど、
他の近接ユニットにはどうにか戦えるという印象をつけたくて修正したように思います。
KotD4の予選を全て眺めたわけではないので、メタが変わったかどうかと言われると不明ですが、
城主石弓周りに特段の下方修正が行われていない以上、前回KotD3と同じく城主石弓が軸となり、
そこに飛び込めない剣士は一旦選択肢から外れるのではないかと思います。
前回と違うのは、後出しでも有効手になり得ると思える点でしょうか。
そうなれば、南米イーグルが厄介すぎると思わなくても済みそうな気はします。
KotD4本戦を覗く時はぜひ剣士の活用術を注目していきたいところです。
最後に畑サーチについて。
これまでのAoE2では相手の何かしらが存在している箇所について、
こちらがその場を探索せずとも、建物を建造しようと試みるだけで存在が丸わかりという仕様でした。
巷ではこれを畑サーチなどと呼んでいました(呼び方色々)。

相手がそこにいれば、上記画像の白い枠が赤く点灯するという仕様です。
これができなくなったということは、博打的に敵陣に町の人を滑り込ませて
裏基地を建築するといったことが容易になるということです。
KotD3決勝戦で1ゲームだけそのような勝ち方がありましたが、当時はサーチできました。
(たまたま未探索地域だったのでサーチすること自体が不可能だった)
裏基地以外にも、前線に包囲兵器小屋を寄せて投石器を強力に当て込むプレイングが
試みやすくなったように思います。
最近はトッププレイヤーともなると、城主直前は自陣周りを
常に何かしらの兵を置いて見ていたりするので、その辺はお互いに駆け引きがありそうです。
大会中に「何でそんなトコに兵をウロウロさせているんだろう」と思うトコロがあったら、
相手の出方を先読みしてる高等テクニックと認識しておきましょう。
(3)文明ルール
予選は最終ラウンド(Ro32)以外はBo3(2本先取)、最終ラウンドのみBo5(3本先取)です。
今大会の特筆すべきルールは、
Bo3:事前にお互いに4つずつ文明をBANし合う
Bo5:事前にお互いに3つずつ文明をBANし合う
ということです。
即ち、強力な文明はお互い消し合って、2軍3軍の文明で戦い合おうというルールです。
はっきり言って正気の沙汰ではないです。
日頃から上位5文明以内の強文明で慣らしてきたプレイヤーほど、
6位以下の文明の使用感に微妙に狂わされることになるでしょう。
(そんなのも慣れてるから大会トッププレイヤーなんだよと言われたらスイマセン)
11/18からの本戦もしばらくはグループステージであり、全てBo5です。
互いに思う上位6文明はBANされ、それ以下から戦い抜くことになります。
それをトッププレイヤー達が演じるというのですから、
普通のプレイヤーが思う「その文明なんか弱いんだよなー」みたいな文明で、
普段味わわない強い勝ち方を目の当たりにするかもしれません。
個人的にはもうワクワクが止まりません。
「最近のAoE2全くわっかんね」って思っている人も、
「フンの弓騎兵は息してんのか?」と思いながら見るだけで価値があるハズです。
出てくるかどうかは当日見てのお楽しみ!!
(4)KotD4予選結果
予選1日目、Ro256(両選手とも不戦勝)、Ro128、Ro64が実施され、
chart選手、komtan選手共に見事勝ち残り!!
予選のベスト32入りはシードの16名も合わせると世界のベスト48入りも同然。
前回シード64位のkomtan選手は前回を上回ったということで、
過去を乗り越えたという意味ではやはり只者のメンタルではないと賛辞を述べたいです。
予選2日目、chart選手はカナダのslamと対戦。TheViperと同チームの強豪。
第1ゲームを幸先良く勝利するも、以降のゲームはslamに上手く内政を作られてしまった印象。
日曜日深夜1時半スタートという状況下も響いたか、1-3で無念の予選敗退。
komtan選手はベトナムのsaymynameと対戦。精力的に大会に出続ける常連。
序盤のわずかな差が終始劣勢感を出したという言い方になってしまうが、
1戦目の最後まで食らいついた姿には感服。僕なら城主序盤で青ざめた顔になっていたトコロ。
最後は地形運にも見放された格好となり、0-3で同じく予選敗退。
本戦で彼らがシード組と対峙している姿、さらにその先を見たかったと思う僕にとって、
本当に残念でならない…!
何度も何度も言いますが、大会は出場するだけでメンタルが摩耗していくであろうコンテンツ。
過去にあった小規模の国内大会ですら僕はマウスがまともに握れないほど緊張したというのに、
彼らは時差の苦しさや日本語が使えないアウェー感も纏いながら戦い抜いた。
それも1度や2度の出場ではないということ。
称えたい、称えたい。
彼らを称える人、応援する人がもっと増えて欲しい。
願わくば、僕(ら)が応援する機会がまた(沢山)あらんことを!
gg!wp!!
(5)KotD4本戦予想
予想なんておこがましくてできません!!
(最近僕もAoE4にちょっと夢中だったのでAoE2触ってません)
しかし、これだけは。
AoE4初の高額賞金大会"GENESIS"でも見事優勝をかっさらってしまったTheViper。
前回準々決勝敗退の雪辱を晴らさないわけには行かないだろうて、
どういったプレイングを披露してくるか非常に注目です。
AoE4には顔を出さず、AoE2に注力してきたプレイヤーもいたことでしょう。
そういったプレイヤーがのし上がっていく様も非常に楽しみです。
手近なトコロで言うと、予選突破組です。
彼らはAoE4発売を目の前にしながらKotD4予選のためにAoE2に注力していたハズです。
予選突破組(下側)と本戦シード組(上側)が相対するのは11/18~21の4日間。
プレイヤーの心情を読み取ろうとしながら眺めると一層白熱すること間違いありません。

【5】おわりに
流し読みしてここに来ちゃった人、
僕から言いたいことは2つだけ。
1つ、本家配信は全員Webカメラによる自撮り必須。
本家配信(twitch/MembTV)をぜひチェック。
2つ、私koujan、気合入れてKotD4本戦を特集します。
予定表はコチラ。

koujanと一緒にAoE2の最高峰を追いかけましょう!!
最後まで読んでくださった方、本当にありがとう!!!!
KotD4が楽しみだ!!!!!!!!!!!