【AoE2】呼び方(略称)が色々あってややこしい問題【AoE2DE】 | Blue Emotion

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結論から先に言うと、

新規プレイヤーの方の為にも、

「AoE2」で通した方が親切だと思います。

 

便宜上、特に断りがない限り、

僕はAge of Empires IIのことをAoE2と記載することにします。

 

 

 

 

 

【1】なぜAoE2には呼び方が色々あるのか

 

AoE2が初めて世に登場したのは1999年9月30日、

このときの正式名称は

「Age of Empires II : The Age of Kings」

と呼ばれていました。

チュートンの町の中心の射程がとんでもなく長くなったり、

砲台で破城槌が割れ放題(激ウマギャグ)だった時代でした。

 

そこから約1年後の2000年8月25日、

5つの文明が追加された拡張版、

「Age of Empires II : The Conquerors」

が登場しました。

 

2000年当時、僕はAoE2をプレイしていなかったので定かではありませんが、

初代のThe Age of Kingsを購入したプレイヤーが全員拡張版を購入したわけではないでしょう。

すると、互換性のないこれらのパッケージの間でプレイヤー層が分かれることとなります。

 

即ち、AoK民とAoC民です。

見たまんまですが、前者は

Age of Empires II : The Age of Kings」

なのでAoKと、後者は

Age of Empires II : The Conquerors」

なのでAoCという風になります。

 

ここから、正当な略称(と思いたい)AoE2という単語は影を潜め、

プレイヤー層を明確化する為にAoKとAoCという単語が長らく使用されることとなりました。

これが、AoE2の呼び方が増えた始まり、だと思います。

 

※古くは「AOK予備校」なるコミュニティがあり、これがいつのタイミングで設立されたか不明ですが、

AoC発売前からそのような呼称があったのであれば、

当時のプレイヤーから見ると「AoE2と略すのが正当」ということすら疑問視なのかもしれません。

 

 

 

 

【2】長く覇権を握ったAoCという呼び方

 

AoCが発売されてから実に14年もの間、

無償アップデートこそあったものの、長くこのバージョンは親しまれていました。

海外コミュニティサイトでも「AoCZone」という名称が使われるくらい、

「Age of Empires IIというゲームはAoCと呼ぶのが当たり前」という文化が根付いてきました。

実際、2002年からAoE2を始めた僕も長いことAoCと呼んでいましたし、

このゲームを知らない友人に紹介するときは、違和感を覚えることなくAoCと紹介していたものです。

たった1文字差ですがAoCの方が呼びやすいですし。

 

2020年以降、未だにAoCと呼ぶプレイヤーが少なくないのは、

ネットゲーム黎明期だった2000年初頭に彼らが最も熱中したゲームとして

敬意を込めているからなのかもしれません。

 

RTS(リアルタイムストラテジー)ゲームの金字塔とも評されているAoEシリーズ、

その中でも最も評価が高いであろうAoE2は、

このAoC時代の評価を考慮してこそと思えば、

このゲームをAoCと呼んで楽しんできたことは至極当然な流れと言えるでしょう。

 

なんにしても、AoE2という呼び方はこの当時ははっきり言って少数派であり、

なんなら全員AoC呼びに言い直されたくらいの勢いだったかもしれません(言い過ぎか)

 

※最近ではAOCという略称はモニターのメーカーに対して使われたり、

ワイン関連の言葉としても出てきたりします。

AOEという略称も、このゲームに触れたことすらない人から見れば、

「Area of Effect(効果範囲)」が真っ先に思い浮かぶことでしょう。

他方面の言葉と混同されかねないという点においても、

AoE2の略称については悩ましいお話なのです。

 

 

 

 

 

【3】約15年の時を経てまさかのリメイク

 

転機が訪れたのは2013年、

SteamでAoE2が「Age of Empires II HD Edition」としてリメイクされました。

発売に至ったモチベーションの大部分は当時の最新OSに対応する為でした。

(既に有志で最新OSやHD表示に対応する方法はあったが、本記事内での紹介は割愛)

 

ここでまた呼び方が分かれました。

なぜ分かれたかと言うと、AoK・AoC時代と同じで、

従来のパッケージ版と最新のSteam版とでは互換性がなかったからです。

互換性がないのであれば、友人に「よー、AoCやろうぜ」と声をかけても、

互いに扱うソフトが違くて遊ぶことはできません。

よって、このような事態を回避する為に、

予め互いの呼び方を変えておく必要があったと言えます。

 

パッケージ版AoC、Steam版AoCと呼ぶのはなんだかややこしいので、

従来のパッケージ版はそのままAoC、

Steam版は新しくAoCHDと呼ぶ方法が生まれました。

 

AoE2に携わったことのない人からすれば「お前らwwややこしすぎwwワロタww」となるでしょうが、

そもそも15年前のゲームがリメイクされ、新たに開発が進むこと自体、

ゲーム業界では非常に稀な出来事なのではないでしょうか。

 

個人的に興味深いなと思うのは、

Steam版からAoE2を始めたプレイヤーはAoCのCにまつわるAoK→AoCの拡張版時代を知らないのに、

気がついたら後発プレイヤーもAoC呼びが定着していった点です。

タイトルにもThe Conquerorsの文字は見当たらないのに、実に不思議な話です。

 

 

 

 

 

【4】さらなる拡張版の登場で余計にややこしく…

 

AoCHDが登場した同じ年に「The Forgotten」と称した拡張版が登場しました。

ここでお察しの良い方はお気づきでしょうが、

やっぱりこの拡張版、それ以外とは互換性がありませんでした。

(厳密には拡張版で追加された文明が自由に使えないだけで、Steam内では互換性有)

 

したがって、またしてもコレ専用で呼び方を考える必要が出てきてしまい、

仕方なくAoFなる呼び方が使われ………そうでした。

しかし、日本国内ではSteam版が発売された以降もパッケージ版AoCの人気が根強く、

「The Forgotten」の新文明が使えないことも気にしないまま、

開発者の思いとは裏腹に従来のパッケージ版AoCを皆興じていたように思います。

「AoFなんて呼び方あったか?」と思った方は、

それくらいにこの時期の拡張版が浸透しなかったと捉えて良いでしょう。

 

無償で遊ばせてくれたらこうも分断することはなかったかもしれませんが、

Steam版のAoCHD、以降の拡張版共に有料だったこともあってか、

従来のプレイヤーに「金出してまでやらずとも、従来のままで十分楽しい」

という方が多かったと当時を振り返って思います。

 

この辺で1つ宿ったであろう思いは、

「拡張版が出ようが、AoCこそ至高」

ってところでしょうか。

そう、AoE2という文言はここでも出番はなかったのです。

 

 

 

 

 

【5】拡張版の追加は続く、が…

 

2015年には「The African Kingdoms」が、

2016年には「Rise of the Rajas」が拡張版タイトルとして発売され、

扱える文明数は31にまで増えました。

拡張版がなければ17止まりだったことを考えると、相当増えたなという印象です。

 

が、少なくとも日本国内ではここでも拡張版込みの新しいAoE2の遊びは浸透しませんでした。(たぶん)

名だたる海外プレイヤーの拡張版への移行ですら相当大変だったようで、

ウワサでは金を積んだり大会を催したりしてようやく拡張版の波が来た、とも言われています。

 

僕がこの2015年~2018年頃にほとんどAoE2に触れていなかったので、

当時の内情を詳しくご存知の方はどこかしらのブログ等で補完して頂ければ幸いです。

ともかく、拡張版を扱わない以上、

このゲームはやっぱりAoCという呼び方がまだ相応しかったという話に落ち着きます。

 

ちなみに、もし拡張版が即座に浸透していればどう呼んでいたのでしょうね。

AoAKとかAoRRとかを使っていたんでしょうか。

「よー磯野、AoRRやろうぜ」と中島に呼びかけられても、

カツオはちんぷんかんぷんだったんじゃないでしょうか。

 

なお、この拡張版はなんやかんやで日本国内にも浸透し、

後述の最新作が出てくるまではしっかり遊ばれました。

が、この時点でも国内外でプレイヤー層は色々分かれており、

 

 (1)Steam版AoE2+拡張版3種

 (2)Steam版AoE2のみ(いわゆるAoCHD)

 (3)パッケージ版AoE2(いわゆるAoC)

 (4)Voobly版AoE2+拡張版3種(海外の主流、説明は割愛)

 (5)Voobly版AoE2その他(説明は割愛)

 

とメチャクチャややこしくなってしまいました。

これだけ分かれながら、中の人らはこのゲームを未だにAoC呼びするのが主流でした。

外野から見たらもうワケワカラン過ぎて不親切とすら思えるかもしれません。

そんな彼らを擁護するなら、それだけこのゲームに長く愛情を注いできた証なのです。

 

僕個人で言えば、2018年頃に思い出したようにまたAoE2界に顔を出し始め、

前述までのややこしさを考慮して「AoE2」呼びにした方が良いと布教活動(?)を始めたものです。

活動当時は、自分ですら違和感を覚えるほどに「AoE2」呼びには慣れませんでしたが…。

 

 

 

 

 

【6】フルリメイク版Definitive Editionの登場

 

初代であるAoK発売から約20年後の2019年11月15日、

満を持して登場したのが、

「Age of Empires II : Definitive Edition」

でした。

仕様の詳細は本記事の範疇を超えるので割愛しますが、

従来まで登場していた拡張版と比較して言うなら、

完全に別物の作品が登場したという認識で間違いないと思います。

AoE2的にも再出発というイメージを前面に押したかったのでしょうから、

当時の開発陣、宣伝もメチャクチャに力を注いでいたという印象です。

(AoE4への知名度貢献等、色々邪推するとこありけりですが、割愛)

 

発売プラットフォームは主にSteamですが、

従来のSteam版AoE2(AoCHD)と大きく異なる点は、

この「Age of Empires II : Definitive Edition」というソフト1本買うだけで、

これまでの拡張版やら何やらバラバラだったものが全部ひとまとめになっている点です。

細かいことを言うなら、このDefinitive Editionには「The Last Khans」という副題がついており、

新規で4つの文明が追加されるという点で拡張版ぽい要素も垣間見えますが、

AoCHDと互換性がない以上、拡張版という括りよりは完全新作と捉えた方が自然と言えます。

 

何が言いたいかというと、

この作品に対する略称を考えるなら、

「Age of Empires II : Definitive Edition」

という文字列のみから考えるのが自然だということです。

(The Last Khansも混ぜてやれよと思われそうですが、余計ややこしくしたいのか(半ギレ))

 

そして、愛の限りを尽くしてこのゲームをAoCと呼んで楽しんできたプレイヤーには

大変申し訳ないのですが……、

C(The Conquerors)の要素はもうどこにもないのです。

たまにAoCDEという略称を使用するプレイヤーもいますが、

それはアレですか、

「Age of Empires II : The Conquerors : Definitive Edition」

ってゲームですか!

それは2005年くらいに発売していたらきっと通用していた略称だと思いますが、今は2021年です。

ホント、スイマセン、ご勘弁願いたいというのが本音であります。

 

ここまで文字に起こして、ようやくAoC呼びに違和感を覚える頃合いになりそうですが、

「いやー、それでもAoCはAoCだしなぁ」と思ってる方、なんとなく分かります。

 

 

 

 

【7】フルリメイクのちにまたまた拡張版

 

さて、本記事を執筆した時系列にようやく到達したわけですが、

来る2021年1月27日(日本時間)に、最新DLC(拡張版)「Lords of the West」が発売されます。

 

 

ここまで飛ばさずに読んでくださった方なら、略称話についてはもうウンザリ感満載かと思います。

飛ばしてここに来た方も、飛ばしたくなるくらいAoE2の長い歴史を熟知されている方と存じます。

 

そんなわけで、今回最も声を大にして言いたいのが、

「拡張版が出る度に呼び方がコロコロ変わるのはいかがなものか」

ということです。

 

冒頭でも言いましたが、

新規プレイヤーもしくは外野の方から見れば、

「AoE2」という呼び方が最もシンプルでかつ誰にでも分かる略称です。

それ以外は全てがややこしい、強いて言えば特定の時系列を訴える以外の要素はないのです。

蛇足ですが、僕は「o」は小文字派です。かの有名な「LoL」もそうですし。

 

「AoE2DE」とDE付して呼ぶ点にだけ議論の余地はありますが、

Steam上でAoE2HD(AoCHD)が並行して発売されている以上、

区別する為に「AoE2DE」呼びするのが自然な気もしますが、

それはAoK・AoC時代に逆戻りしそうな感覚です。

同じ歴史を繰り返してまた議論を再燃させるくらいなら、

もう「AoE2」呼びを定着させたいというのが僕の思いです。

 

AoE2HDで遊んでいるプレイヤーが若干名いることは承知しております。

「AoE2」呼びではDEとHDで混同しかねないですが、

混同すると捉えるのはマルチ対戦層だけかと思います。

Steam上ではAoE2HDをご丁寧に(2013)と表記して旧版と思わせているので、これで良しとしましょう。

あとはマルチ対戦を主とするコミュニティ毎に、丁寧に新規プレイヤーを誘導してあげればOKかと。

 

 

 

 

 

【8】おわりに

 

この手の話をする度に毎回思うのが、

長い間AoC呼びをしていた人には本当に申し訳なく思うことです。

彼らの愛情なくしてAoE2がここまで長い繁栄を築き上げられなかったハズなので。

 

しかし、限界集落とも称されるAoE2界に新たな風を吹き込みたいという思いあらば、

呼び方1つ変えるだけで新規プレイヤー目線に降り立つことができるかもしれません。

それが巡り巡って、あなたのAoE2ライフをこれからも充実させてくれるハズです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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