19日(土)の三府県(鳥取・兵庫・京都)視察のあと、20日(日)の深夜から23日(水)の夕方まで、警察用務でインドネシア出張。機中1泊。インドネシアのジャカルタ1泊、ラブアンバジョ1泊。

 日本、中国、韓国の3国は毎年、ASEAN諸国(インドネシア、フィリピン、シンガポール、マレーシア、ベトナムなど10カ国)と国際犯罪閣僚会議を開いており、今年はインドネシアで開催。場所は首都ジャカルタではなく、首都の東1,500kmにあるラブアンバジョ。

 出発は20日(日)の23時30分羽田発。ジャカルタへは21日(月)朝の5時着。日本との時差2時間(日本時間―2時間)。ジャカルタで紀谷(きや)アセアン大使、警察庁から出向している一等書記官などからアセアン情勢などについてレクチャー。

 JICA(国際協力機構)の事務所に行き、JICAとインドネシア国家警察改革支援プログラムに携わっている関係者から日本の支援内容について話を伺う。インドネシアの警察はもともと軍隊の一組織でしたが、20年程前に国軍から分離し、それ以降、同国警察が目指す「市民のための警察」の確立に向けた改革を日本は支援しています。

 昼前ジャカルタから飛行機でラブアンバジョへ。フライト時間約2時間半。15時頃到着。ラブアンバジョ時間は「日本時間―1時間」。

 夕方、マレーシア代表の内務省次官とバイ(個別)会談。マレーシアとの捜査協力のお礼、いわゆる特殊詐欺事件への連携強化、更には北朝鮮による拉致被害者支援への協力を求める。

 22日(火)が会議の本番。まず「ASEAN+3」の会議。

 私からは、①サイバー空間における脅威②特殊詐欺及び人身取引③テロ対策④薬物対策⑤拉致問題について7~8分の演説(ステートメント)。

 終了後、主催国のインドネシア国家警察長官とバイ会談。柔道五段というリスティヨ・シギット・プラボー警察大将(日本と違い警察のトップは軍と同じく大将という階級)と日本警察とインドネシア警察との更なる協力関係の深化・発展を確認。

 昼前から「ASEAN+日本」の会議。タイの代表と共同議長を務める。私は国境を越えた犯罪対策の具体的取組みなどをステートメント。

 また、議事進行役を務めた時に、ミャンマー情勢への懸念を述べ、暴力の即時停止、被拘束者の解放などを求めた(当然、ミャンマー代表団からの反論コメントもありました)。

 終了後、各国代表のみで公式ランチ。隣席となったフィリピン、韓国、東ティモール代表などと意見交換。

 15時半頃、ラブアンバジョを発ち、飛行機でジャカルタへ。金杉インドネシア大使などと会食しながら意見交換。日本と6.7億の人口を抱えるASEAN、日本と人口2.7億のインドネシア、中国とインドネシア関係、独立100年に当たる2045年に先進国の仲間入りを目指すインドネシアの将来、新首都開発、来年2月のインドネシア大統領選など多岐に渡りました。

 23日(水)は朝5時起床。6時20分ジャカルタ発の飛行機に搭乗。16時前に成田空港着。時差もあり実質7時間半の空の移動。

 赤道直下にあるインドネシアですが、酷暑の日本よりはるかに過ごしやすい気候でした。もっともホテルの部屋や飛行機の中はクーラーが強すぎ、例えばホテルの部屋はなんと21度に設定していたのにはまいりました(部屋温度は27度に直ぐに直す)。ジャカルタの空は大気汚染で靄(もや)が、かかっていたのに対し、ラブアンバジョの空は、青く、海や湾のロケーションも素晴しいものでした。

 今回の出張で日本とASEAN諸国とは今まで以上に経済、労働力、治安、文化・教育などの交流を活発化し、深化させることが、我が国の今後にとって不可欠であることを認識させられました。