12日(月)の午前10時から海上保安制度創設60周年記念式典を行いました。天皇皇后両陛下、内閣総理大臣、衆参両院議長、最高裁長官なども御出席いただきました。


 天皇陛下から深く心に刻み込まれるお言葉をいただきました。


「海上保安制度の要(かなめ)である海上保安庁法は、昭和23年に制定、施行されました。当時はまだ戦後間もなく、我が国周辺の海には機雷が散在し、航行の指針となる灯台の多くも破壊されており、航海は危険を伴うものでありました。昭和24年私が鞆(とも)から尾道へ瀬戸内海を渡るとき、機雷の危険に備えて、木造船を使用するよう話のあったことも記憶しています。掃海作業や灯台の復旧は当時極めて重要な任務でありましたが、多くの危険を伴う作業であり、残念なことに掃海作業中に事故で殉職した職員もありました。厳しい状況の下で、様々な危険や困難を乗り越え、海の安全の確保に尽力した関係者のあったことを思い、その苦労をしのびます。また離島や人里離れた岬の灯台を守ってきた人々の苦労にも計り知れないものがあったことと察せられます。」 


 おそらく陛下自らが筆を執られて、想いを述べられたのだと思います。


 夕方から志帥会(伊吹派)のパーティー。パーティーの前に「歴史に学ぶ、誇りある国づくり」と題したパネルディスカションがありました。寺島実郎日本総合研究所会長、青柳正規国立西洋美術館長、中川昭一志帥会会長代行の三人によるパネルディスカションは味わい深いものでした。賢者は歴史から学ぶと古くから言われているとおり、混迷の時代にこそ歴史に学ばなければなりません。


写真 海上保安制度創設60周年記念式典