さとやんですニコニコ


また言うか…

母の言葉が棘のように
チクリと心を刺す


「生きとっても何〜も
楽しいことがない…
幸せやと思えへん…」

たまにやって来る「おちこみ」

聞くたびに無力感に囚われて
なかなか抜けない棘


母に限らず
多くの高齢者が口にする


あーーそれやのにそれやのに
また言うてもた!!


「お母ちゃん!80過ぎて
しっかり歩けて、目も見えて
家族がみんな近くに住んで
生活に困らん程度のお金も
あって何の不満があるん」


わかってる

聞き流してはいけない
たしなめてはいけない
励ましてはいけない
ポジティブな言葉を
投げかけてもいけない

本人を追い詰めてしまうことになる


お仕事の時はそれなりに
冷静に対応しているのに


距離が近いからこその
難しさや辛さがある


考えてみれば
私だって気持ちが凹んで
何もやる気が出ない時がある


高齢になり
体力に不安が出てきて
遠出も難しくなり
だんだん物忘れが増えてくる

体力が衰えると気力が衰え
気力が衰えると色んな事が
楽しくなくなっていくのは
当然なこと


友人も病気などで減っていき
大切な人に先立たれ
年をとるにつれ
必要とされなくなり…

先々に希望があるわけでもない

人生の終点が見える

昔の元気な自分に戻りたい
家族に迷惑かけたくない

不安と焦りと悲しみを
いっぱい抱えているのだろう


これまで必死に
大きな役割を果たしてきたのだ

なんでもっと
共感しながら寄り添って
まるっと受け止めてやれんのだ

「このアホンダラ!!」と
自分自身に苛立つ

後悔と反省で
自己嫌悪に陥る

落ちて落ちて底に手をついて
またターンして上がってくる


有り難いことに毎日外に出て
たくさんの人とお喋りをして
「忙しくて忙しくて
ゆっくりする暇がない!」と
言う母


まだ少しターンする力が
残っているようだ

浮いて沈んでまた浮いて


不安になる時もある
さみしい時もある
落ち込む時もある
愚痴を言いたい時もある
行き詰まる時だって…

立ち尽くして
途方に暮れる事もあるさ

人間だもの


そんなときは



とりあえず寝るにかぎる