生後七日目に営まれる「お七夜(しちや)」は、赤ちゃんが誕生して
から初めてのお祝いです。このお七夜は、古く平安時代のしきたり
に由来します。この時代、子供が生まれた日を「初夜」、三日目を
「三夜」、五日目を「五夜」、七日目を「七夜」、九日目を「九夜」と
呼び奇数日に誕生を祝う「産立(うぶだち)の祝い」を行うのが
習わしでした。当時は赤ちゃんが生まれてもすぐに亡くなることが
多かったので、縁起のいい奇数日に赤ちゃんの無事を喜び、お祝
いしたのです。江戸時代に幕府がお七夜に命名の儀を行うと決め
たことにより、七日目のお祝いだけが残りました。
将軍家に子供が生まれると、諸大名がお祝いの品を贈るのが習
わしとなり、それが庶民の間にも広まり、誕生七日目を祝うと共に
名前を発表する場となりました。
現在は生後二週間以内に出生届を出せばよいことになっています
が、お七夜に内輪のお祝いを開き、名前を発表するのであれば、
奉書紙を半分に折り、さらに折り目を下にしてさらに縦に三つ折り
にし、それを開いて、右の折には「命名」と書き、真ん中の折には
右端に父親の名と続柄、中に赤子の名、その左に赤子の生年月日
を書きます。左の折には命名した日付と命名者の姓名を記します。
このようにして書いた命名書は神前に捧げ、祝いの席では床の間
や神棚に貼って名前をお披露目するのです。