八意思兼神は、造化三神の二世高御産巣日神(たかみむす
ひのかみ)の子で、生まれついての知恵ものであります。
またの名を思兼神(おもいかねのかみ)ともいい、なんといって
もその名声が上がったのは、天照大神の天の岩屋隠れの時、
一計をめぐらして再び高天原へ呼び戻したことであります。
この時高天原では、八百万の神々の会議が開かれ、思兼神
が議長になって、諸神に指図をしました。すべて参謀・思兼神
の筋書き通りに事が済み、天照大神を高天原に戻すことが
出来ました。
その次は、瓊瓊杵尊が天孫降臨をするまでの活躍で、天照大
神の命によって、葦原の中国を治めるべく大国主命を説得
するまでのいきさつに知恵を出し、晴れて国譲りが成功した
という、いわば裏方で大活躍した神なのです。主なご利益は
その知恵と才能にあやかって、入試合格・学術増進などがあ
りますが、建前に関係する手斧(ちょうな)初めの儀式の主神
でもあります。