近所に住む「むらさきのスカートの女」のことが、気になって仕方のない〈私〉は、
彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で働きだすように誘導。
その誘導のしかたが笑えるが、結果は同じ職場で働く事になる。
そして、共に働きながら、むらさきのスカートの女をひたすら監視する。
私こと「黄色いカーディガンの女」は、
むらさきのスカートの女と友達になる機会をうかがっている。
これって何だか変だけど、引き込まれている。
ページが進むと共に変な興味が膨張していく。
何かがおかしい......。
おかしさは解かるが何が?
黄色いカーデガン女はストーカーか?
友達になりたいのではなくて、これは覗き見だよね?
読者の私まで黄色いカーデガンの女と同じ目線になってる!!
そして最後が、今まで読んできたものは別物の事態が展開し愕然とする。
今までとは異なる胸の鼓動が・・・。
結局、黄色いカーデガンの女はどうしたかったんだろう?
【第161回 芥川賞受賞作】
“リズミカルな読書” という言葉が浮かびました。