羽田の事故のため忘れ去られていますが、ジェットスターも年末年始に欠航が続きました。

なお、羽田については、事故原因が不明のため、JALは会社都合、その他の航空会社は災害に準じて対応している印象を持っています。

 

 

1.ジェットスターが欠航した場合の対応


台風の時にも書きましたが、天候が理由(不可抗力)で欠航の場合とストや機材不良が理由(会社都合)で欠航の場合では対応が異なります。

 

(1)一般にLCCが欠航した場合、(a)後続の自社便への振替、(b)払戻、が原則と言われています。
しかし、個人のブログを見ると日系LCCの場合、食事代支給とか、他社便への振替というケースがあったようです。

(2)原則(運送約款)

ジェットスターの公式サイトには次のように記載されています。
〇 遅延・欠航となったフライトをご予約のお客様への対応
大幅な遅延や欠航となったフライトのご予約をお持ちのお客様には、下記の対応をいたします。

(a)後続のジェットスター便に振替
(b)払い戻し
※ご購入いただいた際のお支払い手段へのお戻しとなります。

※運送約款に基づき、原則として、理由に関わらず、遅延・欠航に伴い発生する費用は負担いたしかねます。特別な状況において、一部の費用を当社が定める範囲で補填させていただく場合があります。その場合、遅延・欠航発生の際、空港および当社より発信するEメールにて補償内容をご案内します。

(3)今回(スト)の対応
ジェットスターの公式サイトには次のように記載されています(抜粋)。
その内容はFSCと同等です(FSCでは、新幹線代を認めることがあります・・・今回の羽田)。

〇お客様ご自身で他社便地上交通機関(タクシーを除く)をお手配いただいた場合、その費用を負担いたします。(※ただし、ジェットスター・ジャパン便の振替または払い戻しを申請した場合は除きます)
一旦お客様ご自身でご予約、ご購入いただき、後日領収書と搭乗券半券(航空会社利用の場合)をコンタクトセンター(ライブチャット)にてご請求下さい。

航空機の場合、同一路線(羽田/成田、新千歳/旭川、伊丹/関西/神戸、中部/小牧、福岡/北九州発着は同一とみなします)、地上交通機関は空港間の鉄道・バス利用とします。いずれも普通席に限らせていただきます。

ご宿泊が必要な場合、交通費とは別にお一人様一泊8,000円を上限にお支払いいたします。(同日の夜のみ)

航空機の振替対象期限は1月8日までとします。
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2.ジェットスターのストの行方

(1)とりあえず、地震を理由に労組側から自発的にストを中止しました。
しかし、上記のように単なる払い戻し以上の対応を経営者側が取り、系列のスプリングジャパンやJALが臨時便を運航するなど、全面的な対決となったのは印象深いです。

(2)航空会社側の金銭的な損失に留まらず、年末年始に欠航したこと、労使関係が緊張していることなど広く知れ渡ったのは、ブランドイメージが著しく失墜し、回復するのは容易ではないと思います。

(3)最悪、ジェットスタージャパンが清算ということもありえることではないでしょうか。

似た例では、エアアジア・ジャパンがあります。経営内部の対立から、ANA側が主導権を握り、バニラ・エアへ、そして最終的にはピーチAviationに吸収されています。

それをあてはめると、労使対立から使用者側が強権を発動して解体、ジェットスターJapanがスプリングJapanに吸収されるという荒唐無稽な絵も描けます。

(4)ピーチAviationだったと思いますが、操縦士が不足して、長期にわたり欠航した便がありました。そのためか、外国籍操縦士も多数見られました。

LCCは、中小型機(A320や737など)による多頻度運航が特色であり、人件費削減(運航乗務員・客室乗務員の給与体系が大手より低い)しながらも、多数の操縦士を必要としています(大型機でも小型機でも操縦士は2名必要)。

操縦士資格は難関であり、エリートはFSCに就職しています。もし、不適切な社員が多数入社していたら、どう対応するのか。根拠のない憶測ですが、旧国鉄とは違うことを、杞憂に過ぎないことを念じています。