前略・・・
とにかくなるべく頻繁に、知らない人に微笑みかけること。
現金を渡してくれた銀行員に、食べ物を持ってきてくれたウェイトレスに、地下鉄で向い合せに座った人に。
誰か笑顔を返してくれる人がいるかどうか見てみること。
それぞれの日に受けた笑顔の数をたどっておくこと。
笑顔が返ってこなくてもがっかりしないこと。
受け取った笑顔一つひとつを、貴い贈り物と見なすこと。
中略・・・
可能な限り、声もかけること。言うことが何も思いつかなかったら、まずは天気の話を。
(ソフィ・カルのために書いた文章。彼女はこの指示に従って行動し、後にその結果を「ダブル・ゲーム」で報告した)
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ちょっとした偶然。人知を超えた暗合。ときに茫然とし、ときに立ち尽くしたその瞬間を人は容易に忘れるが、作家は忘れない。自らの体験を元に驚くべき偶然の連続を、しかし淡々と綴る名作「赤いノートブック」などエッセイ集です。彼自身の人生で車のパンクが4回あったが、その4回とも同じ人が助手席に乗っていた・・・などなど、ホントに?と思う話がたくさんありますが、題名が「ホントの話」だから信じるしかないですね。